あっくんと生きる

あっくんと生きる

「左心低形成症候群」と診断された息子の闘病記+親の感情

記録を残すきっかけ

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はじめに

本エントリ執筆時,私達は29歳サラリーマン夫と28歳専業主婦の夫婦です.重い心臓病が発覚してしまった胎児の息子「あっくん」の闘病記と、それにまつわる親の感情を,つらつらと記していきます.文面は夫が書きます.

息子の病気

妊娠22週目の息子が「左心低形成症候群」を患っているという診断を受けました.数万人~10万人に1人の赤ちゃんに発症すると言われる,極めて重度の高い先天性心疾患とのことです.

生まれつき心臓の左側が非常に小さいため,生まれても全身に血を送ることが出来なくなるという,原因不明の難病です.出生後すぐに処置を施さなければ,1ヶ月以内に確実に死に至ってしまう運命にあります.

生後間もない子供に対して,心臓の血管を付け替えるという大掛かりな手術をしなければ絶対に助からないのです.しかも,乳児期に3回もです.全国的にも施術できる病院が限られる上,手術の成功率も高くはない.これだけでも十分ノックアウト級の衝撃なのに,その手術に成功したとしても予後は決して良くないという,もはや心のやり場がなくなってしまうような残酷な病です.

とまどい

まさか,うちの子が…?どうして?嘘だと言って欲しい.夢であって欲しい.俺たち何か悪いことしちゃったのかな….せっかく生まれてくれる小さい体にメスを入れなければならないなんて,もう可哀想で可哀想でなりません….普通に生まれて,幸せに育って欲しいだけなのに….

もう,夫婦ともども,頭が真っ白です.

子供が順調に育っていて幸せだった生活が一転,地獄のどん底に一気に突き落とされたような衝撃を受けました.この落差は数日で簡単に乗り越えられるものではないようです.

調べれば調べるほど,本当に重大な疾患であることが分かるばかりで,もう涙が止まりません.胸が裂けるような思い,という表現はこういう状態を指すのですね.人間とは大人になっても,こんなにも脆いものなのですね….

でも,本当に辛いのは息子なんです.私達が親として,息子を支えていかなければならないのです.

決意

診断を受けてまだ1日しか経っていない今日.まだ情緒も不安定な私達.何もしていないとどんどん悲しくなるばかりだし,泣いてばかりいたって息子の病気が良くなるわけでもありません.

かと言って,仕事とか研究とか何か楽しいこととかをして気を紛らわせよう,なんて言っていられるような精神状態でもありません.

それに,この病との戦いは出産直後から始まります.ですから,胎児の間に私達が直接的に病気に働きかけられることは,ほとんど無いようなのです.私たちは重病で苦しむことになる息子を前に,お医者さんに全面的に頼ることしかできないのです.なんて無力な親なのでしょう….

そんな状況でも私達にできることは,息子をなるべく高い確率で助けてあげられる環境を提供することです.そのために,必要な情報を集めて,整理して,節目節目で家族にとって最善の判断を下す必要があります.その手段として,このブログを使うことにしました.

ブログを書くことで,もし息子の病がどんな結果を招くことになろうとも,この世に生を受けた証を残すことができます.

同じ病の子供を授かった親御さんにとって少しでも参考になれば,という思いもあります.

そして,実は私自身のためなのかもしれません.情報を集めて眺めているだけでは,悲しくなるばかりです.自分で積極的に文章に起こしていく過程を通じて,この病気と向き合うことができます.

こじつけかもしれませんが,息子のために作業をしていると考えることができるので,書いている間は少しだけ心が落ち着くのです.あっくんが与えてくれる,束の間の心の休息です.

「あっくんは一人じゃない.」

もし誰かが読んでくれていたら,こう思えます.誰かが見守ってくれているかもしれないと思うだけでも,私達夫婦と息子にとって,大きな心の支えになります.

弱音を吐くのは今回だけにして,できるだけ前向きに事を書こうと思っていますが,まぁ弱気な発言をすることもあるでしょう笑.もうこうなってしまったからには,登ったり下ったりしながら,前進するのみです!

あっくん,おとーちゃんとおかーちゃんが病気治してけっからな!

さぁ,あっくんの素敵な命の記録の,はじまりはじまり!