あっくんと生きる

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あっくんと生きる

「左心低形成症候群」と診断された息子の闘病記+親の感情

同意書への署名

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はじめに

あっくんの初めての手術に際し,治療の同意書への署名がありました.この署名の意味について頭にあったことを整理したく,またツラツラ書いてみます.

外科医の説明

手術の前には必ず外科医による説明があります.治療の概要や,リスクについての説明です.最後には患者(の保護者)が同意書への署名を行うことで,晴れて手術が実施されます.正に「インフォームド・コンセント (informed consent)」そのものです.

この病院の先生は,少なくとも私が話を聞いた範囲においては,とても分かりやすい説明をして下さいます.専門用語を使うのをできるだけ避けて下さる姿勢が伝わりますし,説明上用語の使用が必要な場合には,こちらが求めればその言葉の説明もして下さいます.(inform=情報提供)

こちらの質問にも誠意を持って答えて下さるので,納得感を持って治療を任せることができます.(consent=同意,納得)

このプロセスを妥協なしに経ることで,私も患者の保護者として医師に全幅の信頼を寄せることができるのです.

丸投げ?一任?

これだけ優しく対応してくださるので,私も気になったことを色々聞きたくなってしまいます.疑っているとかではなく,諸々の処置や投薬について,次のようなことが気になってしょうがないのです.

  • なぜその処置を行う必要があるのか?
  • 処置を行う必要がある疾患が何故起こってしまうのか?
  • その処置を行うと何がどのように改善されるのか?
  • その処置による副作用はないのか?

だって,冗談抜きで息子の命がかかっているんです.

先生の人当たりの良さや容姿の良さといった第一印象だけに囚われて,これと言った根拠もなく何となく信用してしまったり,医者という肩書だけを見て全ての問題を丸投げにして,あとは「はいはい」と医者の話を適当に聞き流して同意書に署名なんてしてしまったら,署名の意味がないと思ってしまうのは,私だけでしょうか?

それでは,詐欺師にまんまと騙される無知な消費者による行動と,本質的には変わらないと感じてしまうのは,私だけでしょうか.

第一印象が大切であることは認めます.かと言って,それだけで無条件で全てを鵜呑みにしてしまう心理は,デート商法等にひっかかる人間の心理と同様と思わずにはいられないのです(例えとしては極端ですが…).

  • 「医者という肩書だけを見て全ての発言を鵜呑みにし,難しいことは分からないと医者に治療を丸投げすること」

と,

  • 「医者としての立場を信用し患者として治療方針を受け入れ,全幅の信頼を寄せて医者に治療を一任すること」

は,任せるという行動においては類似していますが,心理的な前提は全く非なるものです.私は,患者の保護者として後者の関係を築いていくよう努めたいのです.

署名の価値

保護者としての責任

保護者として責任を持って同意書に署名をする以上,医師の説明と処置の方針に対して,素人なりであってもそれなりの納得感を有しておきたいのです.私は医療の知識など持ち合わせていないので,当然詳細な議論などできはしないのですが,ロジックが通っているかどうかぐらいは確認できます.

万が一,ド素人のこちらの質問ごときに先方がシドロモドロになるようなことがあれば(そんなことは無いと信じていますが),正々堂々と署名を拒否し,カンファレンスの再実施,あるいは治療計画の見直しを断固として要請するだけの覚悟は持っています.不信感が募ってしまうような事態が生じた場合には,他の先生へのセカンドオピニオンも辞さない所存です.それが息子の命をかけている保護者として当然の責任であると考えています.

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確認の価値

もちろん,私は先生に対して全幅の信頼を寄せているし,露程も疑いの気持ちなど持ちあわせてはいません.余計な争いなぞ望んでいませんし,良好な人間関係を築いていきたいという意志が大前提にあります.

しかし,話半分に聞いて署名をした上で,万が一何かが起きた時,

「保護者として署名していますし,あの時何も確認しませんでしたよね?一切の疑問もなく同意したんですよね?」

などと言われてしまった日には,何も反論できやしません.

それに,もし問題の原因が事前説明の時にちょっとでも心に引っかかったものに起因していたとしたら,

「あのとき気になっていたことなのに,なぜ問い詰めなかったんだ.確認しておけばよかった….」

という後悔の念に駆られることになり,悔やんでも悔やみきれません.

もちろん,想定外の事態にまで口出しするつもりなぞ毛頭ありませんが,気になった一般的な事項については患者の保護者として基礎的な知識共有を図りたいのです.然るべきタイミングで納得感を持つことができれば,少なくとも何か不運なことが起きた時に心の準備もできているというものです.

千載一遇の機会

外科医の事前説明は,それを行うための唯一無二のタイミングです.極めて多忙な外科医が,私達患者の家族のためだけに使ってよいという時間を公に提供してくれる貴重な機会なのです.こういう千載一遇の機会を有効に活用するべく,対話を通じて医師の誠実さや治療方針の合理性をこの目で確認したいのです.

ですから,一緒に説明を受ける際に,周囲から「あー,また始まった」という若干のう…見守りが込められた表情をされても,私は一切めげることなく気になったことは質問しますよ^^

※そう思われるのは百も承知で,これでもかなり我慢をして質問の程度を抑えている方なんだ…笑

おわりに

面会記録と誕生記録が続いていたので,ただ親の感情をツラツラ記したのは久しぶりです.

たまにはこういう回を入れ込んで,思考を整理しないと頭がパンクしそうになるので,ちょうど良い機会でした笑.

新米過ぎる親で,精神的にも未熟です.偉そうなことを言える立場ではありませんが,後で見返した時に何か学ぶものがあればなぁ,と思います.

現状では,親としてあっくんにしてあげられることも少ないです.まだ数えるほどしか抱っこしてあげられていないし,沐浴もしてあげられません.あっくんが育つペースも,私達が親になっていくペースも,普通の親子に比べたらゆっくりになるのかもしれません.

まぁでも焦らず,あっくんの治療のペースに合わせて少しずつ前進できれば十分だと思います^^

あっくんの様態が良くなっておうちに来てくれれば,あっくんが私達を親に育ててくれるんだろうなー!そんな日が来ることを,楽しみにしています^^

そのためにも,まずは病院で回復に努めて元気を充電して,おうちで思いっきりその元気を解放してくれ!あっくん!

あっくん:「うおー!」 f:id:MoriKen254:20160902113114j:plain