(2017/03/06 ご指摘を受けメリットとデメリットを追加)
はじめに
さて,育児グッズ紹介シリーズ第二弾.今回は哺乳瓶です.
↓第一弾 粉ミルクはこちら
病院で長期入院していたという経緯があり,我が家では医療機関用の哺乳瓶を使っております.ネットで市販されているので,誰でも普通に購入できます.
あっくんの入院中は哺乳瓶への適応に時間がかかったり,ミルクのこだわりが強かったりで,できるだけ病院での授乳環境に近づけたかったという経緯がありました ^^;
もし哺乳瓶と乳首が変わることであっくんのミルクの飲みが悪くなったら,また授乳トレーニングをしなければならないというリスクを回避したかったのです.せっかく退院したのに,あんなストレスをまた抱えるなんて,もう想像したくもありませんでした笑.
という風に,もともとは消極的理由から選んだのがきっかけで,病院用の哺乳瓶と乳首を使っていました.
ところが,この哺乳瓶は在宅でも案外悪くないということが使っているうちに分かってきました.
なんと,
「部品点数も減って,作業も楽ちんで,洗い物も減らせて,省スペースができて,値段まで安い!」
という美味しすぎる話なんじゃないかと考えるに至りました.棚からぼたもちとはこのことです.
今回はそのあたりの話をしたいと思います ^^
これから初めての赤ちゃんを授かる方.それから,出産直後から入院が必要だった赤ちゃんで,退院した後にどんな哺乳瓶を用意すれば良いのか悩んでいる方.
そんな方にとって少しでも判斷の材料になれば,これ以上の喜びはありません ^^
あっくん:「オレの愛用哺乳瓶を大公開だぜー!」
ピジョン 病産院用哺乳びん(直付け式)
200ml:授乳用
実際に授乳させるときには200mlのサイズの瓶を使用しています.
100ml:湯冷まし用
湯冷まし用の白湯には100mlのサイズの瓶を使用しています.私達が湯冷まし用として使っていると言うだけです.あっくんがもっと小さい時はこちらで授乳していました.これを200mlにしても問題はないと思います.100mlでも200mlでも,乳首は共通で付けられます.
直付け乳首(にゅうしゅ)
乳首はコチラ.低体重児用,一般新生児用,流量大が代表的です.
流量大単品
我が家では流量大を使っています.新生児期が終わっている赤ちゃんはこちらを使うのが良いと思います.
本エントリ作成時,バラで買えるのはYahoo!ショッピングだけのようです.
ちなみに,福岡市立こども病院の売店ならバラで売っています.私たちは売店で買いました.病院利用者は売店で買うのが楽です♪
楽天とAmazonだと20個セットになってしまうので,気をつけて下さい.
病院用哺乳瓶+流量大乳首のセット
瓶と流量大乳首のセットであれば,まだAmazonに在庫があるようです.
一般新生児用乳首
上記セットに加えて,下記の一般新生児用をバラで購入しておけば,新生児期から乳児期まで使える体制が整います.
湯冷まし用ふた
湯冷まし用の瓶にはこちらでふたをしています.ホコリ等が入らないようにするためです.逆さにしてもこぼれないような密封性はありませんので,そこだけ注意です.
メリット
直付けなので脱着が楽
一般で売られている哺乳瓶は,キャップを付けられるように瓶と乳首の間にカラフルなプラスチックの治具がついていると思います.
↓この絵の緑の部分
一方,この病院用の直付けタイプは,そのプラスチックの治具が付いていません.乳首を瓶に直接付けるだけで良いので,作業が簡単です.
乳首が柔らかいシリコンの素材で伸び縮みするので,瓶の口に合わせてスポッとはまるのです.
ここで苦戦することはまずないと思うくらい,ラクラクに取り付けることができます.忙しい医療現場で効率的に作業できるように設計されているのだと思います.
もちろんキャップは付かないのですが,そもそも在宅でミルクをあげる分にはキャップ自体が不要ではないですか?少なくとも我が家では,室内でキャップを付けたいと思ったことは一度もありません.
自宅での授乳の負担を軽減することを目指すなら,直付け式がうってつけなのです ^^
洗い物・消毒物が減る
直前のメリットの延長なのですが,プラスチックの治具がないことから洗い物の点数も減るので,その点でも楽ちんです.
同時に,プラスチック治具がない分,消毒容器の中でかさばりません.あの消毒容器,うまく入らなかったり,取れなかったりすると地味にイライラするので笑,あの中がスッキリするのは忙しいママの精神的負担の軽減にも繋がります.
我が家では,下記の小さい容器で消毒しています.このサイズなら場所を取らずに部屋がスッキリします.
ミニサイズではありますが,そもそも哺乳瓶側の部品点数も少なく瓶自体もコンパクトなので,1,500mlの希釈液に対して,瓶と乳首を2セット同時に消毒できます.実際に,あっくんの外来の後は2セット同時消毒をしているので,助かっています.
使用する消毒液も少量で済むので,その点で節約にも繋がっています.
体積の最大量が200mlでコンパクト
一般用の,例えばピジョンの母乳実感の場合,授乳量が増えてきたら240mlのものを使うことになるので,こちらは少し体積を食うことになります.
↓例えばこれ
一方,病院用の哺乳瓶の最大体積は200mlなので,前者に比べればコンパクトです.カバンや消毒容器に入れる時に,ちょっと小さいだけでも助かることがありました.
乳児の授乳量は一般に高々220ml程度なので,200mlの瓶でも普通に入ります.病院で使えているのですから,色々な乳児に対応できているということなのでしょう.
もちろん,うちの子は220mlよりもっと飲むぞ!という強者の場合は,見直す必要はあるかもしれませんが ^^;
哺乳瓶のサイズによらず乳首が共通
哺乳瓶のサイズは100mlと200mlがあるのですが,どちらも瓶の口のサイズが共通です.したがって,瓶のサイズに合わせて乳首を買い換える必要がありません.
また,飲む量が増える段階で乳首を変える必要が無いので,乳児にとっても抵抗感なくミルクの増量を受け入れてもらえます.
乳首を買い換える必要がないので,経済的にもお得です.
価格が安い
先に紹介した一般用のプラスチック治具付きの哺乳瓶だと,どのサイズも1,500円~2,000円が相場のようです.概算で1,700円としましょう.
一方この直付け式の哺乳瓶は,100mlでも200mlでも価格は700円程度です.乳首が別売りなのでざっくり200円程かかりますが,それを足してもワンセット900円程度です.(※200円というのは,病院の売店の値段を参考にしています.)
この時点でワンセット辺り600円ほど安くなります.
さらに,ここで思い出したいのは,乳首は100mlでも200mlでも共通ということです.そして一般用とは異なり,この病院用は別売りで購入できることもミソです.もうお分かりですね?笑
例えば100mlの時期に乳首を買っておけば,200mlに増えた時は瓶だけを替えば良いのです.大きいサイズに切り替える時に,一本あたり700円だけ払えば良いということです.
これが一般用になると,大きいサイズの哺乳瓶を追加購入するときに専用の乳首まで勝手にくっついて来るので,その分のお金を自動的に払わされてしまうのです.結局どうあがいても,追加一本あたり1,600円~1,700円程度の支出が必要となります.
こうなると,後半は1,000円近くの差額になってきます.洗い置き用も含めて,2本,3本となると,その差額は2000円,3000円となっていくのです.
以下,概算ですが,イメージしやすいように図にしてみたものです.
- 哺乳瓶のイラストの出典:哺乳瓶のイラスト(赤ちゃん) | かわいいフリー素材集 いらすとや
ここまで安くなると,中々お得だと思いませんか?^^
病院と同じ授乳環境を再現できる
これは病児介護者にとってのメリットなので,対象者は限られますが,見逃せない点です.
術後の赤ちゃんって,ほんっっっとーーーーーーーに飲まないんです.中々理解されにくい点なのですが,これで腹が減ったとぐずられても本人は飲めないから解決する手段がなくて,本当にキツイんです.
ちょっと今日は飲まないかな?とか言うレベルではなく,術後のダメージが大きい赤ちゃんは本当に全く飲まなくなることがあるんです.本人はお腹が空いているのに,身体が言うことを聞かないみたいなのです.
これ,とんでもないストレスなんです.このままずっと飲まなかったら,ST(胃管)がはずれないんじゃないだろうか…と,本気で心を痛める家族も多いのです.
そんな中トレーニングしてようやく飲んでくれるようになった哺乳瓶が病院用だったとしたら,その哺乳瓶を退院後も我が子に使わせたいと思うのが人情というものです.あんなストレスを抱えてやっと慣れてくれた哺乳瓶をみすみす逃したくなかったのです.
同じような悩みを抱える病児の親御さんにとっては,病院用哺乳瓶は本当に大きな安心材料となるのです.
部品が少なく価格も安い→合理的
いかがでしょう?
このように,トータルで部品点数も減って,作業も楽ちんで,洗い物も減らせて,値段まで安いとなれば,こんなに合理的な選択はないと思うのです ^^
デメリット
キャップがない
既に述べたように,キャップがありません.したがって,外出の際,ミルクをちょい残しされちゃったときにとりあえずキャップをしてカバンにしまっておく,という使い方はしにくくなります.病院用の場合,ジップロック等のケースで瓶をまるごと入れるなどして対応することになるでしょう.
よく外出し,かつしばらく瓶にミルクを入れたまま複数回に分けて授乳をする使い方をされる場合には,一般用の瓶に利があると言えるでしょう.
この点が気になる方は,室内では病院用,外では一般用という使い分けをするのが良いかもしれません.
瓶の種類がガラスのみ
一般用だとガラスとプラスチックを選択できますが,病院用だとガラスのみとなります.
プラスチックを使いたいというご家族だと,病院用ではその要求に応えることはできません.
瓶でも別に気にしない,経済性を重視したいというご家族なら,病院用もありとなるでしょう.
流量大乳首の在庫に乏しい
やはり一般に使われるアイテムではないため,常に在庫があるわけではありません.特に,流量大乳首だけ,なぜかセット販売ばかりなのです汗.
検索してみて在庫があれば検討してみる,というフローは免れません.これは個人の工夫でも限界があるので,痛いかもしれません ^^;
本当,コレさえなんとかなれば,病院用も何の迷いもなくオススメしたいところなのですが ^^;
なお,福岡市立こども病院の利用者なら,売店でバラが普通に売っているので,この点は心配しなくて良いと思います.
デザイン性に乏しい
病院用ですから,当然デザインはシンプルです.ピジョンの母乳実感のように,ディズニーキャラクターや動物が描かれているわけではありません.かわいい哺乳瓶を使うことに価値を見出す方は,病院用は選択肢から外れることになるでしょう.
↓このようなかわいいディズニーのキャラは,病院用には描かれません.
赤ちゃんだし,どうせ一年も経てば離乳するのだからデザイン性よりも経済性を重視したいという人なら,病院用でも許容できるのではないかな?と思います.
体積の最大量が200mlで足りない場合も?
先の,「体積の最大量が200mlでコンパクト」と表裏一体なのですが,お子様によっては200mlの容器では小さいということが…あるのでしょうか?
母乳実感で240mlというサイズがある以上,公平を期すためにこの点は触れておいたほうが良いと思いました.
ただ,色々な月齢の乳児が入院する病院でも200mlの瓶でまかなえているのであれば,よほどの強者でない限り適応するのではないのかなと思うのですが….(※統計を取ったわけではないので,あくまで私の主観です.)
乳首のバリエーションが少ない
先にも述べたように,乳首のサイズは低体重児用,一般新生児用,流量大の三種類となります.
一般用だと多くの乳首のサイズが存在するので,きめ細かく切り替えていきたいご家族だと不満な点になるかもしれません.
ただこれも,病院で対応できていることを考えると,まぁなんとかなる範囲なのかなとも思います.結局は赤ちゃんが満足してくれることが大切なので,色々な乳首を使えるようにしておきたいなら,一般用にしておいたほうがリスクは小さいでしょう.
飲ませ方に向きがある
病院用の乳首は空気穴が付いています.これを上に向けて飲ませないと真空になりやすいかもしれません.
真空になりやすかったという使用者のコメントを受け,これも追加いたします(ご指摘本当にありがとうございます).
参考情報ですが,少なくとも私達については,病院で看護師さんから教えてもらって,「空気の穴は上」というやり方が完全に刷り込まれていたので,真空の問題に悩まされたことはありませんでした.
病児育成者かつ入院経験者なら慣れていると思うので問題は無さそうですが,健常児育成者の場合はこの点に注意が必要と言えるでしょう.
あとは慣れの問題です.私たちはもう無意識に空気穴を上に向けているので,何回かやれば身につくかな,と思います ^^
病院用も一つの選択肢になるという気づき
いかがでしょう?
メリット・デメリットありますが,家族の価値観さえがマッチすれば,
- 部品点数が少ない
- 乳首の脱着作業が楽ちん
- 洗い物も減らせる
- 消毒容器の省スペース化
- 経済面でも値段まで安い
という,一挙五得ができてしまうポテンシャルを秘めているのが,病院用哺乳瓶なのです!
もちろん,Webショップでの在庫が必ずしも豊富ではなかったり,赤ちゃんの都合に合わせる関係で病院用では汎用性が不足する場面も当然あるので,万人がコレを使うべき!というつもりはありません.
ただ,今まで何の疑いもなく一般用だけを購入対象にしていた方にとって,これを期に病院用も一つの選択肢として考えるきっかけを得たことは,決して無駄にはならないのではないでしょうか? ^^
今後他の買い物をするときも,病院用はあるのかな?などということを考える,新たな気づきになったのではないでしょうか? ^^
この情報が,子育て中の皆様の充実した授乳生活の一助となれば,幸いです♪