あっくんと生きる

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「左心低形成症候群」と診断された息子の闘病記+親の感情

我が家が「エア・ウォーターメディカル」の酸素療法を選んだ理由

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あっくんは退院してからも,24時間鼻から酸素を注入しております.当然,自宅に酸素濃縮器が常駐しており,外出時も携帯用酸素ボンベを担いでいる状況です.

福岡市立こども病院では,この酸素療法を支える装置を提供するメーカとして,「TEIJIN」か「エア・ウォーターメディカル」から選択できるのです.

多くのご家族は業界最大手の「TEIJIN」を選択されるという情報が流れていたのですが,私たちは「エア・ウォーターメディカル」を選択しました.妻もはじめこそ「TEIJIN」でいいじゃーんって雰囲気だったのですが,営業さんのお話を聞いた上で,様々な観点から考慮して,こちらにすることにしました ^^

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なぜ敢えて「エア・ウォーターメディカル」を選んだのかを,いつか書こうかなみたいな微妙な書き方を,退院時の下記記事でしていたと思いますが,ちょうど気が向いたので,書こうというわけです笑.

www.akkun-ikiru.com

私が営業の人とお話して,各メーカ機器の特長を妻に伝えたところ,「エア・ウォーターメディカル」にしよう!という流れになったのです.主婦をくすぐるメリットがあったのですね笑.

あくまでモリケン一家の価値観に沿って選択したまでですので,これが絶対正しいというつもりはありません.心臓病児退院の際に,どうしようかと考えているご家族に少しでもご参考になれば幸いです.

各メーカのサイト

各メーカが提供する酸素関連の装置の概要は,下記のサイトで閲覧することができます.参考に掲載致します.医療従事者向けの方が詳細な情報があるようなのですが,一般の人は閲覧してはいけないようなので,そちらのサイトへの誘導は控えることと致します.

エア・ウォーターメディカル

www.awmi.co.jp

該当製品は,「小夏3SP」です.

TEIJIN

www.teijin.co.jp

該当製品は,「ハイサンソ®3S」です.

「エア・ウォーターメディカル」のメリット

まず,「エア・ウォーターメディカル」を選択した理由について述べたいと思います.

省エネ

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おかーちゃんの心をくすぐった決め手がコレでした.あっくんの酸素量である1L/分時における各製品の消費電力を比較してみます.

  • 「TEIJIN」製ハイサンソ®3S: 80W
  • 「エア・ウォーターメディカル」製小夏3SP: 35W

なんと,「エア・ウォーターメディカル」の方が消費電力が半分以下のようです.

外出時以外は24時間つけっぱなしと考えると,ひと月あたりの電力量の差は

(80-35)[W]☓24[h/日]☓30[日]≒32.4[kWh]

となり,ある程度電気を節約できることになります.料金は地域によってことなりますが,我が家では一月約600円程度安くなるという概算結果を得ています.

このあたりは主婦の心をくすぐるのでしょう.私も良いと思いました.

小型軽量でバッテリーが付いている

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「エア・ウォーターメディカル」製小夏3SPには,停電後も約3時間は駆動できる程のバッテリーが備えられています.

かつ,ローラと取手が付いており,ゴロゴロと転がして持ち運ぶことができます.据え置き型と携帯型の中間型という位置づけの仕様となっているようです.

したがって,災害時にも装置をそのまま持ち運ぶことができ,かつ酸素ボンベの消費量を少しですが節約することができると考えました.

「TEIJIN」製小夏3SPだと完全据え置き型で,バッテリーがついていません.バッテリー付きの携帯用製品は別にあるのですが,あまりつかわれていないとのことでした.完全据え置き型のため取手が付いているタイプでもないので,スイスイ持ち運べるものではありません.

ちょっとの差ではありますが,精神衛生的には安心材料になると思い,メリットとして挙げました.

酸素ボンベのストック量が無制限

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「TEIJIN」と契約した場合,酸素ボンベのストックに上限があります.最大3本までストックできるという説明を受けた記憶があります.

一方,「エア・ウォーターメディカル」と契約した場合は,この酸素ボンベのストック総数に制限がありません(もちろん本当に無限なのではなく,メーカが許容できる範囲で,となりますが).「エア・ウォーターメディカル」は,業務を「江藤酸素」という酸素専門の企業に委託しているため,酸素の在庫が潤沢であることが強みのようです.「TEIJIN」ではボンベが一本枯渇する毎にメーカに電話をする必要がありますが,「エア・ウォーターメディカル」の場合は自宅の在庫に余裕ができるので,そんなに頻繁に依頼する必要はありません.

ちなみに我が家には大ボンベ5本に加えて,小ボンベ2本を常駐しているので,精神衛生的にはかなり余裕がありますし,メーカに電話する頻度も抑えることができます.

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※後ろにあるかばんにもボンベが入っています.

通院時などで長時間外出する場合は大ボンベを,近所の買い物程度なら少ボンベを,という形で使い分けています.

静音設計

「エア・ウォーターメディカル」の場合はホームページでも営業も静音を謳っていました.使っている身としては,確かに静音です.

あっくんに必要な酸素量である1L/分であれば,かなり静かだと思います.生活していてそんなに気になったこともありません.

一応カタログを比較すると,下記のようになっており,もしかしたら酸素流量が多いと「TEIJIN」の方が静かなのかもしれませんが,私は「TEIJIN」を使ったことがないのでなんとも言えません^^; 「TEIJIN」の営業の方はあまり静音を主張する様子は無かったので,あまりアピールポイントではないのかな?とか勝手に思ったり.

あくまでカタログ値ということで,参考に載せておきます.

「エア・ウォーターメディカル」の場合
  • 流量1L/分時 21dB(A)
  • 流量2L/分時 28dB(A)
  • 流量3L/分時 34dB(A)

※無響室において

「TEIJIN」の場合
  • 30dB(A)以下(正面距離1m高さ25cm)無響室において

営業所が近い

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これはたまたまですが,業務委託先の「江藤酸素」の営業所が我が家に近いようで,かなり軽いフットワークで対応して貰える場合があります.(今から行きますと言われて,15分後に来ていただいたことがあります笑.)

ホームページを見ると,大分を主要な拠点とし,九州で事業を展開しているようです.九州在住の方で,ご自身のご自宅付近に「江藤酸素」の営業所があるなら,安心かもしれません.

この地図に掲載されていない小さい拠点もあるようなので,営業の方に質問して確認するのが一番だと思います.

元々の事業主体は「テルモ」

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「TEIJIN」は確かに業界大手ですが,「エア・ウォーターメディカル」の大本の事業主は医療機器大手の「テルモ」です.2013年に「エア・ウォーターメディカル」が「テルモ」の在宅医療事業を買収したという経緯があるのです.

元々「テルモ」が持っていた事業であれば,それなりの信頼性はあると考えました.

「エア・ウォーターメディカル」のデメリット

加湿機能がない

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「TEIJIN」製の装置にはついている加湿機能が,「エア・ウォーターメディカル」製の装置にはついていません.鼻から酸素を注入する以上,乾燥を予防したい親御さんもいらっしゃると思うので,この点はデメリットと言わざるを得ません.

この点について「エア・ウォーターメディカル」の営業の人に尋ねたところ,加湿機能をつけていないことは意図的なものだそうです.ざっくりいうと,加湿機能をつけることによる学術的な有効性は示されていないという趣旨の説明はされましたが,よく分かりませんでした笑.

要は,乾燥で鼻が切れちゃって血が出るリスクが減るかどうかという点が気になるわけですが,その辺りがぼんやりしていて,私的にはうーんという感じでした.

ただ,もし乾燥を気にするなら,部屋の湿度自体を上げることで改善できるという説明を受けて納得した節はありました.感染症にかかりやすい季節に部屋を加湿することは,どちらにしたって風邪予防になります.

したがって,我が家では加湿機能の欠落には目をつむり,代わりに加湿器で部屋の湿度上げることでこの点の対策をとることにしました.

まぁいくら部屋を加湿したところで,酸素あたりまくりなので鼻くそはたまりますが笑,もうそこは割り切ることにしました.

「TEIJIN」ほどのブランド力に及ばず

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いくら大本が「テルモ」とは言え,現段階では事業規模的に「TEIJIN」程のブランド力に並ぶのは難しいと言わざる得ません.そこをどう解釈するかが患者家族の判斷に委ねられることになります.事業の規模は小さいけど,専門性が高くなった考えることもでき,中々スパッと解が出る問題でもないのです汗.

一応話を聞いた限りでは,どちらのメーカも24時間365日対応で,災害時もサポートしてくれて,全国どこに行っても酸素濃縮器もボンベも貸してくれるとのことなので,実務面で患者が困ることはないのかなと,今のところは楽観視しています.

ただ,いずれあっくんが私達の地元の宮城に行く時のサポート体制は注意して観察する必要があります.おそらく委託先の業者が変わるので,そこでの対応は注視する必要があるでしょう.

まぁ,今のところはメーカを変えるつもりはありませんし,「江藤酸素」の対応は地域密着的な感じで親しみやすく満足しているので,ひとまず現状維持で進めていこうと思っています ^^

おわりに

今回は,我が家において,なぜ病院でメジャーな「TEIJIN」ではなく,敢えて「エア・ウォーターメディカル」の酸素療法を選択したのか,その理由について述べました.

ここに記載した以外のメリット・デメリットは間違いなくありますし,ご家族の価値観,居住地やライフスタイルによって何が良いかは変わってくるでしょう.

とは言え,退院が決まっていきなりどっちがいいですか?と言われてもどうすればよいか戸惑う家族も多いと思います.私達もそうでした.そんなご家族に少しでもお役に立てれば,これ以上の幸せはございません.

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あっくん:「酸素もすっかり慣れて余裕だぜ-!」

おとーちゃん:「カニューラ周りはスキンケアも大変なんだぞ-^^;」