ご無沙汰しております。
暑い日が続いてヒーヒーのモリケンです。
更新が滞っており、すみません。あっくんは元気です。
あっくん:水兵リーベ オレの船!
おとーちゃん:ボクの船 です ^^;
さて、今回は表題につき、知り合いの心臓病児ご家族から展開のご要望がございました情報を共有します。
主題は?
熊本市民病院の再建にかかる小児循環器内科の統合
平成28年の熊本地震で被災した熊本市民病院を再建する計画が進行しています。
これにつき、小児循環器内科が小児科に統合されることになりました。
統合に対する病児家族の存続要望活動
統合につき、心臓病児を持つ家族から構成されるの「熊本の小児循環器医療の発展を願う会」(以下、当会)による、「小児循環器内科」存続に向けた運動が行われています。
その一環として、自筆の署名を募っています。本エントリ執筆時の現在進行系のお知らせは、下記ページをご参照下さい。
↓Facebook 「熊本の小児循環器医療の発展を願う会からのお知らせ☆」
賛同される方は署名のご協力をお願い致します
当会の活動に賛同される方は、下記フォーマットを印刷の上、自筆の書名をした後に、後述の住所までご郵送のご協力をして頂けましたら、10月初めにまとめて熊本市長へ提出されるとのことです。個人情報は当会のもと管理され、他の用途には使用しないと記されています。
フォーマット
パソコン上で画像を右クリック保存してから印刷すると、楽だと思います。
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署名の送付先(九月中旬頃までに)
- 〒861-8766
- 熊本県菊池郡菊陽町光の森2丁目6の1 熊本北郵便局留め
- 熊本の小児循環器医療の発展を願う会 向井美奈子 宛
当会のご意向により、宛先が当会代表者名へと変わっているのでご注意下さい。
双方の主張について整理
当方は「左心低形成症候群」という最重症の先天性心疾患を持つあっくんを授かっており、本件に付き決して他人事とは思えない状況ではあり、ご家族らの心中は察するところであります。
一方、震災という未曾有の災害により機能が停止したという経緯がある病院側が公開した資料についても目を通しておかないとフェアではないだろうということで、双方の主張を掲載することにします。
メディアによる報道
ネットで検索すると様々なメディアで取り上げられているようで、社会的な関心も強まっている案件であることが分かります。
いずれも、当会が存続を要望、病院は前向きに検討、と言った趣旨の報道をしています。
熊本市民病院の主張
下記のサイトにアクセスすれば、公開されている公的な情報はカバーできそうです。
資料や懇談会議事録をざっと見ると、当病院は県の周産期医療を担っている、重要だ、という主張が随所に見られます。
一方、病院経営の効率化、コンパクト化、機能・方針集約と言った観点からの議論も展開されているようです。ただし、公的医療として一定の採算度外視性は許容すべきという意見も確認できます。
この辺りは病院経営における最大のジレンマでしょう。
熊本の小児循環器医療の発展を願う会 の主張
一方、こちらが当会の立場です。当方が見せていただいた資料を掲載します。
主張はこうです。
- 「ただでさえ希少な心疾患医療体制が整った病院をこれ以上削減すると、残された患者に対する医療の質が低下してしまいかねない。統合については再考してほしい。」
当方の立場
最後に、当方の立場を記載しておきます。個人的な意見なので、あくまで参考として ^^;
思考し、結論をだすのは、署名をする御本人であるべきです。
結論
私は、署名を行うこととしました。
最重要判断基準
少なくとも当方にとって大切なことは
- 「小児循環器内科の統合」
という論点について、
- 「その必要性を審議する議論がそれを裏付けるエビデンスを持って展開」
されており、
- 「公共の福祉全体を最適化する上で論理的な妥当性を備えた結論」
として、
- 「やむを得ず統合するという決断に至った」
というロジックが有るか無いかです。
なんでわざわざこんなことを?
こんなまどろっこしいことを考えずにさっさと署名すればいいじゃんと思われるかもしれませんね ^^;
もちろん、私も一患者家族の一員である以上、病児家族の心情は痛いほど分かります。自分の子どもに降り掛かったらどんな思いになるだろうと思うと、不安でいっぱいになります。
一方、こうして重い心臓病児が何とか生かしてもらっている背景には、国民の皆さんの税金によって地域医療が支えられているという事実があることも否定できません。本当に、この国の皆保険制度には頭が上がりません。
そのような形で国民の皆様から多大な恩恵を受けながら、キツイこともいっぱいあるけど、それでも仕事上がりや休日にあっくんの笑顔を見ながらキャッキャと遊べる生活をさせて頂いている身としては、税金の効果的な活用方法については責任を感じている次第です。
そういう経緯もあって、国民全体の利益と天秤にかけた上で、それでも必要だから税金を私達病児家族にお分けいただいて、何とか子供の命を助けてほしい、という立場を取っている人間です。
また、心臓病児以外の様々な重大な事情を抱えて治療を受けている患者さんもたくさんいらっしゃり、病院の抱える背景等を勘案することなく、それら家族の方々の立場を安易に阻害することになってしまわないか、心配がないと言ったら嘘になってしまいました。
そういう思考の経緯があり、感情だけを判断の基準におくと、自分あるいは自分の家族さえ助かればいいという考えが先行し、フェアな議論が展開できなくなってしまう恐れがあると思うに至りました。
というわけで、様々なバランスを総合的に考慮した結果、どうしても「小児循環器内科」の統合が必要だったんだ、というやむを得ない事情があると判断できるのであれば、
- たとえ自分自身が病児家族当事者であっても署名はしない
というスタンスを取ると考えていました。(←面倒くさいな笑)
ただ、各懇談会の議事録や関連資料をざーっと見ても、そこを決定的に裏付けるエビデンスを見つけることができませんでした。
そんなに周産期医療が重要だと言っているなら、なぜ統合するに至ったのかという議論が、少なくとも公開されている情報を見る限りでは、終始一貫して欠落しているのでは?という風に、私には見えてしまいました。
- 周産期医療は重要です。
- でも統合します。
- はっきりした理由は示しません。
うーん…。
仮に(多分そうなんだけど)懇談会の前に結論が出ていたとして、その結論を肉付けするために有識者で議論します!というよくある形の会議だという事情を差っ引いてもよいのですが、それであるならその前段の結論が出るに至るプロセスを示す資料も公開されても良いのではないかな?と思いました。
となると、私の中で最も重要な情報がスッポリ欠落していると判断せざるを得ません。
市から、病院から、この程度の情報公開しかされていないのであれば、患者家族として納得できないと言う声をあげる人が出てきても当然だろうと思います。
ここは一度、患者として権利を主張しても良い場面だろうと思います。少なくとも、もっとしっかりした説明をしてくれと言うのは、真っ当な主張であろうと。一旦しっかりした説明と患者家族との対話を実現する上でも、ここは「小児循環器内科の存続」という要求をしてもらおうと。
よって、私は署名をすることにしました。
おわりに
もし、本エントリをご覧になり、当会の活動に賛同される方は、署名のご協力をお願いします。
※決して強制するものではありません。
病院側から、もっと充実した説明、あるいは医療環境の充実について合理的な説明がなされること、最終的に病院・患者家族間で納得の行く終着点に至ることを、心より願っております。