はじめに
ノーウッド+グレン手術後の経過:その2 過渡期・お祝いの続きです.
あっくんは少しずつではありますが,安定に向かっているようです.
2017/1/某日 (生後20週4日) :ノーウッド+グレン手術 5日後 (PICU 5日目)
面会
この日は13:00に伺ったら,そのまま入れました.
あったまてっかってーかです ^^;
周りに大量のタオルが敷いてあるのは,体位を維持するためです.まだ満足に動けないので,寝返りを打たせてあげているようです.そのタオルで体温が上がるから,頭を冷やしているとのこと.色々ありますね.
基本は鎮静なのですが,ふと覚醒することがあり,その時は弱々しくもアーウーなどと話すように.
あっくん:「アー,ウー」
べ,別人…?なんか,剃り込みのせいか,インパクト強すぎなのですが… ^^;
投薬等
カルチコール(カルシウム剤)が取れました.今は強心剤,鎮静剤,栄養剤のみです.
NOが0.014 l/min.当初が0.026 l/min程度で,どこかで0.018 l/minになり,今に至ります.身体が新しい循環系に適応してきたため,徐々に減らしても安定しているとのこと.
経過
- MCTミルクの量を30 mlに増量.胃管から注入.消化器に問題なし.
- 安静状態なら,心拍120台後半,CVPは10前後,SpO2が90に.いいぞー.
- まだ痰がからむ.面会中サクションを要し,一時撤退.
2017/1/某日 (生後20週5日) :ノーウッド+グレン手術 6日後 (PICU 6日目)
面会
この日も13:00に伺ったら,手術後対応で30分ほど待機.
女装?
今朝の洋服の在庫が乏しかったようで,今日はミニーちゃんのピンク着を纏うあっくん.
え?女の子…? ^^;
そしてかなり興奮気味.起きるときつそうなので,先生が鎮静剤を打つと10秒ほどでダウン.すげー.
胃管
しかしその後,胃管チューブがうまく刺さらないらしく目の前で処置.鼻から入れて失敗,また出して口から喉に突っ込んで失敗.どうにもうまくいかないようで何度も抜き差し.
いくら鎮静剤入とは言えオゲオゲで涙を出して泣くあっくん.あんまり抜き差し繰り返すもんだから私たちはPICUを出ることに.その後うまく刺さったとのことですが,面会時間が終了してしまったのでそのまま病院も撤退することに.
あー,エグかった….妻はNICUの頃から見慣れていたようですが,私はあんなにマジマジと見る機会は無かったので,キツかったです^^;
こんなことが私達の目の届かない所で日常的に行われているのかと思うと,胸に刺さるものがあります.とは言え,こちらは息子の命を助けてもらっている身分ですので,いちいち気にしてられないのですが ^^;
投薬等
強心剤,鎮静剤,栄養剤は継続.細かい調整はあるようだが,悪い方向ではない.
NOが0.008 l/minに減少.
経過
- MCTミルクの量を30 mlで維持.消化器保護のため投与方法を自重ではなくシリンジポンプに.
- 安静状態なら,心拍120台前半,CVPは10前後,SpO2が85に.
- 興奮するとCVPが25になったり,SpO2が60台まで落ちたりする.まだ完全に身体は慣れきっていないとのこと.
2017/1/某日 (生後20週6日) :ノーウッド+グレン手術 7日後 (PICU 7日目)
面会
この日も13:00に伺ったら,すっと入れた.やった!
と思いきや,入室30分ほどで痰が絡みサクション開始.と言うことでまた一時退却.PICUの面会時間をフル使えたことがまだありません笑.
まだ身体がグレン循環に慣れている状態とはいえないが,術後日数にしては全体的に良好とのこと.
覚醒するといつもきつそうで,トントンしても寝ない時はすぐに鎮静剤を投入されます.その方があっくんも楽だし,見てる家族としても精神衛生上は◎です ^^;
術後に不快になる理由
グレン循環切り替え直後は頭に血が溜まりやすい状況で,不快感が強いようです(本来二つの心室で機能させる循環を,一つの心室で賄おうとするのだから,身体が慣れないうちは静脈側で詰まり気味になりがち,という雰囲気かな).
主治医から以下のような例え話をして頂き,あぁ,確かにそりゃ不快だわ,と思いました ^^;
主治医:「赤ちゃんのことなので想像にはなりますが,頭に血が溜まる状態というのは,逆立ちして生活しているような状況と思われます.だから本人もきついんだと思います.」
もうちょい耐えてくれー,あっくん.
投薬等
強心剤がドパミンからコアテックなる薬に変わっていました.
ドパミンは強心作用としては強いようで(血管を閉めて血圧上げたり,脈が早くなったりする),術後には必要だがあんまり長く使うと心臓が疲れてしまうよう.
コアテックの作用はもう少し弱めのようで(血管を緩めて血圧を下げたり,脈も落ち着かせることができるらしい),長期的に経過を見る場合はこちらに切り替えたほうが良いとのこと.
プレセデックス(鎮静剤)が少し減りました.急に遮断すると身体が反応して危ないようなので,体の慣れに合わせて徐々に減らしていくようです.
NOが0.008 l/minで維持.
経過
- MCTミルクの量を30 mlで維持.シリンジポンプで注入.
- 安静状態なら,心拍110台,CVPが最低5まで落ち着く,SpO2が90まで改善することも.強心剤を変えたことによる作用もあるとのこと.
- 興奮するとCVPが25,SpO2が60台まで落ちたりするのは前日と同様.
おわりに
もう一週間くらいは経過を観察するようです.
面会は最大2時間(それも満足にできない).身体に触れることもできない.起きたと思えば苦しそうにする.笑顔を見ることはない.
そんな面会家族にとっての精神的な支えは,少しずつ色々なものが外れ,薬の量が減ってくる,と言った回復の兆候のみとなります.
きっと何週間後かに,笑顔のあっくんと遊べるようになることを願って,明日からも家族で面会に行きます.
妻の誕生日祝でローソク付きのケーキを食べてなかったので,ここらで挽回笑.