はじめに
あっくん,はじめてのこども病院!(その1)の続きです.
いよいよ入ったこども病院で,どのような診断を受けたのか.またツラツラと書いていきます.
2016/05/某日 (24週3日): 福岡市立こども病院で初めての検診(続き)
こども病院に入る
さぁ,やってまいりました.こども病院です.きれいな建物です.
中もとってもきれいです.吹き抜けになっていて,開放感が半端ないです.
患者さんで込み合っているのではと思っていたのですが,その反対でした. 意外と人は少ないのです. 完全予約制で,かつこどもが対象だからなのかもしれません.
諸々手続きを終え,産科の待合室へ行きます. 予約の時間より少し早く着いたのですが,すぐ呼ばれました.
いざ診察室へ
産科は女性の先生が対応して下さったのですが,人当たりの良い優しい先生で,安心しました.何でも相談できそうな雰囲気です.
さぁ,早速エコーであっくんを見てもらいます.北九州でも見た,あのスーパーかっちょいい最新装置のお出ましです.私の貧弱な記憶を頼りに探しましたが,多分これです.
GE Helthcare, Voluson E6, as of 2016/05/27.
そんなことはともかく,あっくんの様態です.まずは身体全体を見てもらいました.妊娠初期のエコーのときからあっくんがいっつも言われるのが,これ.
確かに,デカイ笑.どれほどデカイのか気になったので,もらった写真に記載された数値から統計的な「レア度」を算出すると,100人いたら上位5番以内に入るレベルです.
うーむ.「小さく産んで大きく育てる」と言う言葉の真意は定かではありませんが,脳の成長についてはこれが当てはまるという話も聞いたことがあります.つーことは,お腹の中にいる時からでかいと言うのは如何なものか?などと一瞬思いを馳せます.
まぁ,先生は個性の範疇とおっしゃっているし,てか心臓のほうがよっぽど心配なので,良しとします笑.
恒例の男の子の象徴も確認してくださり,
と.何か,ここもいつも突っ込まれる気がするが…笑.
そして,肝心要の心臓を診てもらいます.やっぱり,「左心低形成症候群」であることに間違いは無いようです.
循環器科の先生も来てくださり,産科の先生と話し合いながらあっくんを診てくれています. このように,複数の先生が意見交換しながら病気の診断をしてくれるのが常だそうです. 心強いです.
そんなこんなで,1時間弱はエコーをしたでしょうか. 私はエコーのことはさっぱり分かりませんが,今まで私達が診察室で見たことの無いようなところからも 詳細に診てくれていました.
と私は思っていましたが,お腹を出して1時間も仰向けのまま機械を当てられ続けていた妻は,もうくたくたでしたね笑.
丁寧な説明
その後,病気について説明を受けます. 正常な心臓とあっくんの心臓を比較するための図を見せてもらったので,とても分かりやすかったです.
専門用語の使用を避けて下さったり,説明の節目で「ここまでは大丈夫ですか?」と確認をして下さったり, 私達家族の目線に立って下さる姿勢がありがたかったです.
先生もご多忙なので何度も電話がかかってくるにも関わらず,今は外来対応中だからと他の先生に対応を依頼する姿勢を最後の最後まで貫き,私達へ説明の優先してくださったのが本当に嬉しかったです.
そう,確信しました.
あっくんの心臓
「左心低形成症候群」は「症候群」という文字が付く通り,その程度の幅がとても広いようです. それに、赤ちゃんも短期間でどんどん変化していきます. ですから,実際に生まれてみないと分からないことも多く,まだ24週の段階で具体的な計画を立てることは難しいようです.
では,あっくんの心臓の状態はどうだったか.
現状のあっくんの心臓を診てもらった限りは、「左心低形成症候群の中ではオーソドックスなパターン」とのことです. なるほど.まぁ,病気には違いないのでしょうが,喜んでいいんだと思います.
もう少し具体的に話を聞くと,確かに左心系は小さいけど全く無い訳ではなく,「卵円孔」も確認できている,という状態だそうです.「卵円孔」とはなんぞや!?辺りのお話はこちらに記述しました.
先生が描いてくださった絵を書き起こし直したものを載せておきます.分かりやすい図を頂いて,初めて具体的なイメージが湧きました.
更に,右心系に重大な疾患も今のところはなく,その他の器官の疾患も見当たらない.やはり,不幸中の幸いです.
希望
極めつけが,先生による自信を感じさせる説明です.私達の心に安心の嵐を吹き荒らしてくれました.
な,な,なんと!!!
こんな冷静にポジティブな説明をされることになるとは,思ってもいませんでした. これまで暗い情報ばかりが耳に入ってくるなかで,普通の学校に通うこともできないのではないかと心配していた状況だったので,まさかスポーツを楽しめる可能性があるだなんて!十分過ぎておつりが来るレベルです.
もちろん,難しい手術であることには変わりはないし,100%成功する保証など無いことも承知です. ただ,そういう説明が出来るほどの実力がある先生に出会えたことが,本当に嬉しかったのです. もう心強いにも程があります.内心感動していました.
あとは,今後どこで検診を受けるかというお話になります. 北九州医療センターの方が近いのですが,やはり今後何か起こったときにすぐに気付き,適切に処置できるようにということで,「福岡市立こども病院」で検診を受けることになりました.少し遠くはなりますが,安心です.ドライブだと思って通うのも,悪く無いでしょう.
精神的ケア
その後,妻だけ助産師さんに呼ばれました. 後ほどそこでの話を妻に聞くと,こどもが病気になってショックを受けていると思うが大丈夫か,家族も心配していると思われるけど大丈夫か等,メンタル面でのケアをしてくれたそうです. 妻も大分気持ちは落ち着いてきていたのですが,あんまり優しくしてくれるものだから,妻はそれで泣きそうになっちゃったそうです笑.
メンタル以外でも,今後のことで心配なことや,費用のことなども対応してくださったようですし, 帰ってから何か思い出したとしてもいつでも電話してもよいとのことでした.
病院側がメンタル面でここまで支えてくださったのは,正直初めてで,驚きました. 病院関係者がこんなに親身になって話して下さったり,こちらの気持ちを丁寧に伺って下さったりという経験は, 本当に初めてだったのです.
もちろん,お医者さんの立場を考えると,あまり患者の感情に深入りしないようにすることを意識している可能性もあるので, それを責めるつもりは毛頭ありません. きっと,重病患者と接する機会が多い「こども病院」ならではの特性なのだと思います.とにかく,本当にありがたかったです.
見通しが立つ
そんなこんなで2時間ばかりみっちり対応してもらい,病院を後にします.
告知から2週間が経ち,段々気持ちが前向きにはなっていましたが,気が張っていたのかもしれません. 何か心の中でつっかえていた物が,すっと取り除かれたような感覚になっていました.
今後の不安が全く無くなったかと言われるとそれは厳しいです.でも,今出来る最善の選択は取れていると感じられたことが,何よりの収穫でした. 妻も,ようやくかかりつけの先生と助産師さんを決めることが出来て,とても安心してくれたようです.
家族に報告したところ,皆ひとまず喜んでくれました.まずは一歩,前進です.
乾杯
と言うわけで,帰宅後はとりあえず祝杯を挙げました笑. この日は我が家の休肝曜日だったのですが,妻から「発泡酒なら良いよ!」というお許しを頂き笑,乾杯です.もちろん,妻はノンアルです.
先生の計らいで撮影して頂いたあっくんの3Dエコー写真を片手に,本日の前進をお祝いしました.
次回の検診は2週間後です.
あっくん,君が引き続き心臓以外が悪くならないことを願って,おかーちゃんの徹底した体調・健康管理は続いているよ.だから,元気にそのお顔を見せておくれや.