ご報告が遅れて申し訳ございません。
なんと、あっくんの術後の経過が極めて良好で、早々に退院しています!
一般病棟での経過や、退院後の生活については、ぼちぼち書いていこうと思います。
あっくん:あれ、あなた、なんか髪短くないですか?出家したんですか?
おとーちゃん:いやいや、出家なんて煩悩まみれの私にはとてもできませんよ…。君の育児と入院付添に専念したくて、坊主にしたんだよ ^^ 色々な人に突っ込まれまくっているけど、実際超楽だからいいでしょ笑。
ご報告が遅れて申し訳ございません。
なんと、あっくんの術後の経過が極めて良好で、早々に退院しています!
一般病棟での経過や、退院後の生活については、ぼちぼち書いていこうと思います。
あっくん:あれ、あなた、なんか髪短くないですか?出家したんですか?
おとーちゃん:いやいや、出家なんて煩悩まみれの私にはとてもできませんよ…。君の育児と入院付添に専念したくて、坊主にしたんだよ ^^ 色々な人に突っ込まれまくっているけど、実際超楽だからいいでしょ笑。
引き続きあっくんの手術後の経過を綴っております。
あっくんのグレン+フォンタン手術の経過を引き続き報告します。
おとーちゃんは付添再開に向け、自宅で充電中ですので、家族からの聞伝えでお送りいたします。
HCUもお昼面会です。
この日は、尿管ステントが抜管し、抱っこができるようになったようです。
おとーちゃんも抱っこしたかったですが、致し方ありません。今は後の付添に備え、精神的・肉体的に意識的に休息を取る期間と割り切ります。
あと、役所や、様々な手続きに向けた書類を用意したり、会社で所要を済ませたりする必要があったり、案外バタバタしています。おとーちゃんは、多分こういう星のものとに生まれたんだろうなぁ笑。
あっくん:管が抜けると抱っこができるんですねー!
おとーちゃん:おー!良かったね ^^
早くおとーちゃんも抱っこしたいなぁ ^o^
尿管ステントも抜管しました。鼻からSTが刺さったままです。
オノアクトの中止により、ヘパリンだけとなりました。
この日も聞伝えです ^^
まだこの日もスヤスヤです。
あっくん:スヤスヤ
おとーちゃん:ゆっくりお休み ^^
脈が低いです。カテーテルが全て抜けたので、肺の血圧は計測なしです。
手についている模様。
プレセデックスが追加されました。
変化なしです。
またまたこの日も聞伝えです ^^
まだこの日はずいぶん元気な姿を見せてくれたようです。
あっくん:おいちーね!
おとーちゃん:ゼリーおいちーね! ^^
ゼリーとかなら食べられるね!
このあと、両手のラインを抜管し、足に移行したようです。これで、寝たきりでも両手が使えるね ^^
動画を見ながら、何もついていない両手を動かす姿は、久々に拝めました (T_T)
あっくん:かんかんかんかん!
おとーちゃん:踏切かんかんかんかん! ^^
手術前に覚えた色々なこと、覚えてくれていて安心しました ^^
脈が低いです。カテーテルが全て抜けたので、肺の血圧は計測なしです。
抹消が足のみ。
プレセデックスが中止となりました。
変化なしです。
あっくん、PICUからHCUに移り、元気を取り戻しつつあります。
そして、手術から一週間で、早くも一般病棟へ転棟が確定!
早いのが嬉しいけど、おとーちゃんの休養時間が短いよ!笑
というわけで、おとーちゃんすぐ病院へ戻るよ!休む時間をくれてありがとう、あっくん ^^
おかげで、ステーキとビールという、夢にまで見たコンボを堪能させてもらったよ (ToT)
あっくん:わたくしはまだご飯を食べられないのに、自分はステーキだなんて、ずるいですよ!
おとーちゃん:いいだろー。おとーちゃん入院付添で3 kg 近く痩せちゃったみたいだから汗、この隙にハイカロリー食品を食べさせておくれ ^^
※これ以降、おとーちゃんの入院付添が再開するので、多分ブログの更新が途絶えると思われますが、どうぞご了承下さい笑 ^^;
読者の皆様、あっくんの手術の成功に対する温かいお言葉、本当にありがとうございます。
あっくんのグレン+フォンタン手術の経過を引き続き報告します。
休日のお昼ご飯はおとーちゃんが作っています。
久々に家族と一緒なので、その名残で納豆オムレツを作ってみました。
あっくん:ありゃ、薬味はかかっていないんですか?
おとーちゃん:ハウスにある調味料で作ったからね、さすがに我が家御用達の便利薬味はないべさ ^^;
何とか中のとろとろ感を再現でき、家族から合格を頂けました笑。
定例のお昼面会です。
すると今回は、到着した時からあっくんはお目目パッチリでした!
あっくん:パッチリ!
おとーちゃん:おー!おはよう! ^^
手術後はいつもこうなのですが、顔がむくんで、やはりまだ目が腫れぼったいですね ^^;
それからこの日は、お茶を飲んだり、ゼリーを食べたり、量は多くはないにせよ、食欲が戻ってきているようでした ^^
あと、なぜか足を組んでポージング笑。
あっくん:ポージングです、はい!
おとーちゃん:ポーズもすごいけど、目の腫れがねぇ ^^;
前日と同じです。
抹消が右手から左手に移動しました。
利尿剤、強心剤が中止となりました。
アルブミンが中止となりました。栄養剤が、負担の大きい高カロリー輸液から、グルアセドに変わりました。
この日も夜のPICUの面会に行けました ^^
ちょうど食事の時間だったので、脂肪制限付きですが食事が提供されていました!
あっくん:病院食は苦手です!
おとーちゃん:大好きな麺は出てるみたいだね ^^
せっかく夕食が来ていて、覚醒もしていたので食事を試みましたが、まだ一口二口くらいしか食べられる状態ではなかったようでした。
でも大丈夫、口に含んでくれただけでも十分頑張ったよ。ありがとう。
あっくん:まだ食べれらませんね。
おとーちゃん:いいんだよ、無理しなくて。あれだけ手術を頑張ったんだから。口に含んでくれて本当にありがとう。 ^^
深追いは決してせず、食べないようなら無理せず、あっくんの回復のペースに合わせたいですね。
この日のお昼面会では、あっくんのベッドの場所が変わっていました。
なんと、奥の個室でした。ここで面会するのは、実は初めてです。どうやら、大腿静脈カテーテルや尿管ステントの抜管のため、奥に来ていたようです。
あっくん:奥の個室だなんて、私はVIPですね!
おとーちゃん:いやいや、たまたま処置があっただけですよ ^^;
お腹より下の管が抜管されたことで、身軽になったあっくん。この日は身体を右へ左へと動かす動かす笑。
あっくん:身軽になったんでね!つい動きたくなってしまいましてね。早く解放してくださいよ!
おとーちゃん:まだちょっと早いんだなぁ…。しんどいよねぇ ^^;
身体も拘束され、満足に遊んでももらえない、ご飯も食べられない、お茶も自由に飲めない、相当ストレスかかっているよね。
この日も食事の介助を試みましたが、ゼリー以外進まずでした。
それよりもずーっとこればかり。
シリンジでチマチマ飲ませてあげましたが、このお願いの言葉…。ちょっと心苦しいですね。早く前のように、自由に飲んだり食べたりさせてあげたいな。
このあとねんねしてもらおうと頑張って寝かしつけしましたが、校風して眠れなかったようなので、トリクロで眠ってもらいました笑。
一酸化窒素は中止。通常カニューラに移行できました。
全てのカテーテル抜管により、両手抹消にルートが通っていました。
オノアクトの中止により、ヘパリンだけとなりました。
グルアセドの量が減りました。
あっくんが覚醒し、面会に歯ごたえが出てきました ^^
ここで一旦おとーちゃんは、一般病棟での付き添いに備え、休養のため自宅へ帰りました。体力回復も兼ねて、帰宅して速攻でジムに行きましたが笑。
その間は、おかーちゃんとばぁばにハウスに残ってもらい、面会をしてもらいます。よろしくね。
最後に、手術前日にみせてくれたあっくんの笑顔を。この笑顔が戻ることを希望に、引き続き頑張っていくぞ!
あっくん:あっちゃん、う○ち、出た!
おとーちゃん:手術前日、寝る前にう○ち出して、めっちゃ機嫌よかったね!笑 ^^
読者の皆様、いつもあっくんのことをお見守り下さり、また私達家族のことまで気におかけ下さり、本当にありがとうございます。
前回のエントリでご報告したとおり、あっくんのグレン+フォンタン手術が完了致しました。
術後経過を綴っていこうと思います。(このフォーマット、ノーウッド+グレン手術依頼だな。懐かしい笑。)
手術の翌朝9時に、両親がモニタ面会室であっくんの様子を確認し、主治医から術後経過の説明を受けることになっています。これもいつものフローです。
ハウスを利用させていただいているので、時間的にも余裕を持って行動ができて、助かります。
あっくん:むにゃむにゃ。おろろ、お主ら達者であったか?
おとーちゃん:達者達者!(T-T) お主こそ、頭になにか乗っかってますが?
手術後は基本的に発熱するそうなのですが、グレンまたはフォンタン手術の翌日は心拍数を下げるために敢えて体温を36度0分程度まで下げるようで、そのために頭もアイシングしているとのこと。
経過としては、引き続き良好とのことでした。本当に、ありがたいですね。
ありがたついでに、実はあっくんのCTの画像を主治医から頂いたんです笑。
あっくん:どさくさに紛れて、何もらっちゃってんですか!?
おとーちゃん:いやだって、ダメ元で聞いてみたら案外OKもらえっちゃんだもの笑 ^^;
オペのときに参考にするために印刷している書類の一つのようで、オペが終わればもう見返すことはないとのことで。えへ笑。
あっくんの術後経過が良好という報告を受け、行かねばならぬところがあります。
そうです。あっくんの手術をいつも見守って下さる香椎宮へ!手術成功のご報告と、お礼にご挨拶に伺いました。
あっくん:おー!懐かしいですな!
おとーちゃん:そうなんす!って、お主は行ったことないよなぁ ^^;
実はあっくんはまだ香椎宮に行ったことがないというオチ笑。退院したら一回一緒に行きたいなぁ。
早速、鈴のない拝殿にて祈祷。
あっくん:サンクス!マイゴッド!
おとーちゃん:本当に、ありがとうございます。
他の病児とご家族の健康も祈り。私達は、その中の一家族という位置づけで分けて頂けたのだと思います。
香椎宮に来るとおとーちゃんが年に一回、必ず引くおみくじがあります。
ずばり「男みくじ」!よく当たるんです、このおみくじが。
そして、そのおみくじの中には漢字一字が記された金メッキの金属板が入っておりまして、それも楽しみにしているわけです。
今回引いたおみくじはなんと…。私の名前に使われている字が記されておりました!
何というタイミング!何という奇跡!何かの縁を感じずにいられません!
あっくん:奇跡感じるのもいいですが、運勢は吉ですか。微妙なんじゃないですか?
おとーちゃん:吉は、大吉の次に良いという節もあるらしいんで、その解釈で行く!^^
PICUには13:00~15:00の間、面会が可能です。
香椎宮で買った健康お守りと、先程のおみくじをPICUにお預けします。
あっくん:コレ以外にもお守り預けていると思うのですが、神様喧嘩してしまいませんか?
おとーちゃん:仲良くしてもらえるようにお願いしておいたから、大丈夫!きっと!^^
そして、あっくんとご対面!
あっくん:いやー、まだゴチャゴチャくっついておりましてね。てへ。
おとーちゃん:まだ手術の翌日だからね ^^;
さすがに翌日ということもあり、まだ声を出したり覚醒したりもしていないようです。仮に起きたとしても、薬で眠らされてしまうんですけどね。
あっくん:スヤスヤ。
おとーちゃん:ゆっくりお休みなさい ^^
この日もPICUに行きました。特に異常はなく、順調に抜管と減薬が進んでいるようでした。
あっくん:また来たんですか!
おとーちゃん:何度でも来ますよ ^^
一酸化窒素も酸素も減りました!
Aライン抜管!
輸血、麻酔、精神安定剤等が抜けました。尿の出が良くないため心臓に負担がかかっているかもしれないとのことで、利尿剤が追加。
アルブミンがなくなりました。栄養剤のペースが落ちました。
これまでPICUは昼の面会のみだったのですが、今回の入院では新しい試みもなされていて、土日に限定して夜にも 18:00~19:00 or 20:00~21:00 の間に15分の面会も可能となっているようでしたので、両方行ってきました ^^
食事が可能な状態になっていれば、親の介助もOKとのことですが、今回はまだご飯を食べる元気はありませんでした ^^;
あっくん:またまた来たんですか!?
おとーちゃん:何度でも何度でも来ますよ ^^
食べられる元気が出たら、おとーちゃんと一緒にまんま食べようね。無理しないで、ゆっくりでいいからね。
ひとまず、安静状態が続きますが、経過は順調です。
唯一息抜きができるPICU期間をいいことに、夜は家族で晩餐するようにしています。
あっくん:また大人だけで!私を置いてずるいですよ!
おとーちゃん:病棟上がったらまた付き添いするからさ、それまで少し息抜きさせておくれ ^^
平素よりお読みくださる読者の皆様、コメントやスター等まで下さるはてな民の方々、本当にありがとうございます。中々レスポンスができず、申し訳ございません。落ち着きましたら反応しますね。
さて、あっくんの心臓病の治療について、ここまで紆余曲折ありました。
そんな中遂に先日、あっくんがグレン+フォンタン同時術を受ける運びとなりました。
左心低形成症候群においては、フォンタン手術が根治手術となります。
これがうまくいけば、夢の SpO2 100% & 日常生活での酸素離脱 の可能性が飛躍的に向上するため、重要なマイルストーンと言えます。
それでは、手術当日の様子を記録します。
あっくんも付添いのおとーちゃんのソワソワ感を察したのか、甘えたり泣いたりばかりで、どうにも寝られないようで汗。
入院生活でストレスも溜まっているし、感染症予防のため手術前日はプレイルーム入室禁止という追い討ちまでかけられ笑、フラストレーションMAXのあっくん。
手術前日くらい少し自由させてやろうと、絵本を読んだり、抱っこして廊下をブラブラしていました。
あっくん:いやー、明日手術だと思うと緊張して眠れませんよ。はっはっは!
おとーちゃん:まだ何も分かってないでしょ ^^; おとーちゃんのソワソワが伝わっちゃったかな…。
今や11kgのあっくんを抱っこし続けるのは腰に来ます汗。落ち着いたらジムで体力つけ直さないとね。
一方おかーちゃんとばぁばは、ノーウッド+グレン手術を成功に導いてくださった、かの由緒正しき「香椎宮」に!
今回のグレン+フォンタン手術の成功を、神様に祈ってきてくれました。今回は、付き添いのおとーちゃんの方がバーチャル祈祷をしました笑。
あっくん:これ、御利益あるんですか?
おとーちゃん:ある!大丈夫!おかーちゃんとばぁばは直接行ってくれたから、いいのだ!
そんなこんなでバタバタしながら、23時前くらいに眠りについてくれたあっくん。ようやく解放されて雑事をこなすべく廊下を行き来していたら、看護師さんから「あっくん、寝ましたか?」と声をかけてかけて頂いたり。いやはや、手術前日に面目ない ^^;
朝5時に起床します。まぁ、大人はグッスリ寝られたものではありませんでしたが笑。
6時から水分制限なので、朝の薬とせめてお茶を飲ませてあげられるように。ちなみに、絶食は深夜0時以降。夜食なんて食べないので関係ないですが笑。
あっくん:ちゃっちゃ!まんま!
おとーちゃん:腹も減るし喉も渇くよねー。気持ちは分かるけど、胃はカラッポしないといけないんだぁ。ごめんよ。
それと、取って良い水分の種類には制約があります。
あっくん:断然ちゃっちゃ(お茶)ですな!
おとーちゃん:5時59分まで飲むべな!笑 ^^
朝7時、胃を空っぽにするために浣腸をしてうんちを出し切ってしまいます。
そして術衣に着替え、体重測定。オムツも持参して、看護師さんにうんちの条件も確認してもらいます。あっくん、うんちオッケー!と言ってもらえました笑。
あっくん:ジャジャーン!うんちも出しましたし、戦闘準備完了です!
おとーちゃん:おー!前は術衣がもっとブカブカだったのに、今やすっかりジャストサイズですな ^^
手術室に行くまでまだ少し時間があります。合流した家族と一緒にあっくんと今しばらく遊んだり、病棟撤収のため荷物の整理を始めます。
もうすっかり慣れてしまったものです。
それと、以前退院したときにおとーちゃんがデアゴスティーニのマイ3Dプリンタで作成した、こども病院の像さんのマスコットをモチーフにした簡単フィギュアがまだ病棟に置いてありました。ありがたいですね。
ありがた記念にあっくんとツーショット♪
あっくん:手術前に何してるんすか!?
おとーちゃん:手術前だからこそ、キャッキャしているんですよ ^^
8時。鎮静剤のミタゾラムをお尻から突っ込みます。うひゃー。頑張れあっくん。もう少しで楽になるよ。
ものの10分程度の抱っこ。おとーちゃんのお胸でコロっと眠ったあっくん。しばしのお別れだね。
抱っこのまま手術室へ向かいます。手術室前でストレッチャーに載せたら、なんとあっくん起床笑。手術中痛くないように、麻酔科の先生にしっかり眠らせてもらうんだよ。
あっくん:きゃー!おむつがちょっと見えちゃってるじゃないですか!オムチラですよ!
おとーちゃん:そんなこといいから、早くねんねするんだよ! ^^;
病室内の荷物を回収します。ちなみに、荷物3つ分までなら病棟の倉庫で預かってもらえるので、PICUから戻ってきたときに準備が楽になります。
手術中はお決まりの家族待合室で待機です。独特の雰囲気があるんですよね、この時間と空間。
他のご家族もいらっしゃって、当然普通の雑談もしているのですが、やはり皆さんソワソワしている感じがします。当然ですがね。
毎度ながら、あっくんは今回も第1オペ室です。心臓血管外科は大体第1と第2を使うようで、第1は特に設備や施行可能な術式が充実しているお部屋のようで。
あっくん:…
おとーちゃん:ようやくお主も静かになりましたね ^^;
術前説明で夕方くらいまでかかると聞いていたので、気長に構えます。
皆思い思いに過ごします。家族と雑談する方もいれば、スマホをいじる方、ステータスモニタをジーッと見ている方もおられます。
私はソワソワしながら笑、仕事等のメールチェックや、振り返りエントリの執筆をしておりました。
作業していると時間があっという間に過ぎるので、体感的には待たされている意識が消失します。
何より、今までの経緯を振り返りまとめ直す過程の中で、今回のグレン+フォンタン同時術の重みを咀嚼するにも、個人的には好都合でした。
待っている間、一向に食欲が湧きません笑。一応おにぎりを頂きました。
あっくん:…
おとーちゃん:ツッコミがないと寂しいなぁ… ^^;
分かっていたことですが、モニタ上の14時30分終了予定というのは名ばかりでした。モニタの手術時間が延長となります。ここからはサドンデス。
あっくん:…
おとーちゃん:早く帰ってきてくれー T_T
今回の執刀医は、心臓血管外科のNo2です。ノーウッド手術も引き継いでおられる強者の先生です。(あっくんのノーウッド手術当時では、トップの先生のみが執刀していたので、世代交代ですかね。)
その執刀医が現れたのが、思ったより早い。16時くらい?
あっくん:…
おとーちゃん:お主、ちょっとせっかちさん?(°_°)
あぁ、なんか起きちゃったんかな、いやそんなことはなかろうもん、等思いを馳せながら先生の言葉を待ちました。もちろん、吉報を期待して。
私は家族に対して、
と、ややもすれば無責任と取られかねないことを言い続けていました。実際、何を根拠にそんなことを言うんだと、大きな手術のときに不謹慎的だと思われていたかもしれません笑。
まぁとは言え、私はモリケン一家のリーダーとして、自信を持ってあっくんをオペ室に送り出した張本人ですからね。同意書にサインした責任者が、
なんてアタフタ言っているのも如何なものかとも思いますしね ^^;
それこそ、ただでさえソワソワしている家族に対して、更なる無用な不安を煽ることになります。
主治医からは十分なリスクの説明と、誠意ある治療をしてもらっているわけです。今回は私も自ら介護休職を取得し、私の持ち得る全リソースをフル投入して、あっくんと家族のケアをみっちり行なったつもりです。何より、ここまで一番頑張ってきた息子を信じていた。
とか、
等と言うではありませんか。
洋の東西を問わず、史上最強の戦略書と言われる「孫氏の兵法」の基本スタンスもこれですからね。
ふつつかながらではありますが、自分ではもうこれ以上はできないと思えるほどに全力の人事は尽くし果たしたわけですから、あとは成功を信じてどっしり構えて待つだけです。あと結果は自然と付いてくるし、やりきったんだからどう転んでも納得できるわけです。
さぁ、もしここまで読んで下さるお優しい読者がいらっしゃるとしたら、いい加減執刀医の第一声を書けよ!相変わらずこのブログは前置きがナゲーな!と思われる頃でしょう。(それでも、オレのブログの構成はオレが決めるんだ!笑)
と言うわけで、(多分)お待ちかねの第一声を。
(°_°)
(°_°)
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(°_°)
(°_°)
(°_°)
全くもって、おとーちゃんの想定通りのお言葉です。
あっくんの紆余曲折の経緯もあり、特に下手な発言を控えざるを得ない事情のある外科医の立場で「まずまず」と言う表現を使うときは、かなり良い状態と解釈して間違いありません。
そして執刀医が待合室を去っていきます。外科医かっけーなー笑。
とたんに、同席していた家族が嬉し涙を出し始めました。
ガシッと握手をして、
と、しばらく歓喜に浸り、互いに労いました。
一方、私は歓喜と言うより、静かな安堵と言うか、もっと淡々とした心持ちでした。
そんな家族感情に、手術が終わってから、重く気付かされた感じでした。
人事を尽くして天命を待ち、未来ある子供に期待を持てば良いだけのことだと思っていましたし、実際にあっくんの姿も確認できていない当時の段階では、心は割とフラットだったと思います。
(いくらテコ入れしても変わる見込みが感じられない大人を相手に苦戦する方がよっぽど手強いですからね笑)
ひとしきり感傷に浸った後、
と家族に伝え、その場を締めました。
そしてもうしばらくした頃、ステータスモニタ上のあっくんのバーが、終了を意味するオレンジ色に。
あっくん:むにゃむにゃ…
おとーちゃん:ありがとう、我が息子よ。
あっくんの4回目の心臓手術。約9時間の奮闘の末、こうして幕を閉じました。
毎度ながら、まずはモニタ面会室で待機です。
オペ室からPICUに運ばれて、セットアップが完了するまでしばらく時間を要します。
ここでは1, 2時間ほど待ったでしょうか。お待ちかねのあっくんがモニタ上に登場。その勇姿を拝見。
あっくん:あ、これはどうもどうも。ご無沙汰しておりましたねぇ!お元気でしたか?
おとーちゃん:いえいえ、こちらの方こそご無沙汰しておりまして…って、いいからゆっくり寝ていなさいな! ^^;
術後なのに顔色がすごくいい。ノーウッド+グレンの時と全然違う。呼吸もしている。素晴らしいではないか。
しばしあっくんを観察していると、処置のためとまたモニタが切れます。これもまぁいつものことです。
そして少し待ってから再度モニタが付いたと思った、その時!
あっくん:むにゃむにゃ。
おとーちゃん:おぉおお!?人工呼吸器、もう抜管じゃないっすか!?
人工呼吸器の抜管を確認!ネーザルハイフローに切り替わっております。早い!
今回はノーウッド+グレンのときのような心肺停止をしていないので、元々呼吸も安定していたのでしょうかね。
モニタ面会室に心臓血管外科の主治医が現れます。
話を聞くまでもなく、表情から術後経過の良さが伝わって来ました。フォンタン循環はしっかり成立しているとハキハキと説明頂きました。
もちろん、閉塞のリスクが排除できているわけではないし、術直後は山場なので、過度の期待はしないように心はフラットにしてはいますが、手術自体は本当に成功したのだと言う事実を、執刀医に続いて主治医からもダブルチェックをさせて頂きました。
これも毎度のことで、あっくんのPICU入棟直後、両親限定で5分間の面会が可能です。
実に約11時間ぶりの再会です。
あっくん:はーい、いらっしゃーい!
おとーちゃん:息子よ~!よく頑張ったなぁ (T-T)
あぁ、生きている。もう、それだけでも嬉しい。本当に良く頑張ってくれた。
チューブだらけなのはもう見慣れた光景です。というかむしろ、術直後にしては点滴やシリンジポンプの数が少ないと感じたくらいで。
やっぱりノーウッド+グレン手術が相当でかい手術だったから、それに比べたらまだマイルドな方だったのでしょう。
ふと目線を上のバイタルモニタに向けます。実に見慣れた画面でございます。
あっくん:きゃ!エッチ!
おとーちゃん:いやいや、いいじゃないっすか、モニタくらい ^^
心拍、呼吸数と言った一般的な心電パラメータに加え、血圧、CVP(肺血圧)のような通常静的に計測するような値もリアルタイムに観察できる優れもの。Aライン(動脈カテーテル)、CVカテーテル(中心静脈カテーテル)と言った侵襲の大きいセンサをグサグサ刺しているからなせる技。凄いんだけど、早く離脱して欲しい。
まぁバイタルはいずれも安定しているようなので、そんなことは後回し!
さぁ、せっかくフォンタン手術をしたんです。見たくて見たくて仕方のなかった値がそこにあるのです。見えますか…?
あっくん:ありゃりゃ!
おとーちゃん:ありゃりゃりゃ…!!!!! (ToT)
そう、高々90%ちょっとくらいまでしか上がらなかったあっくんの SpO2 が…。
あっくん:って、戸愚○弟っすかー!!!
おとーちゃん:左様!よく知ってたなー!我らが青春、幽遊○書ー!暗黒武術会編ー!!!
はい、失礼しました…。出直しまして。
一瞬我が目を疑い、5度見くらいしましたが笑、やっぱり間違いありません。健常児なら何の苦労もすることなく生まれた瞬間から100%であって然るべきはずの、このなんてことはないパラメータ。
あっくんは、こんなに、こんなに、こんなにこんなに、頑張って頑張って頑張りまくって、いーっぱい痛いこととかストレス抱えまくって、しかも心臓片方を潰して単心室のハンデと肺動脈が閉塞するかもしれないリスクまで一生背負わせてまで、ようやっと、100%になったんです。生まれて初めて…。
私たちからしたら、喉から手が出るほど見てみたかった値です。あっくんが生まれる前、左心低形成症候群が判明してから、いつか見てみたいと思っていた値なんです。
本当に、本当に、フォンタン循環が成立しているのだと、やっとこの目で確認できたわけです。
ここでようやくおとーちゃんの目頭が少し熱くなりました。エンジニア気質からか、完成したモノを見届けないと信じられないのかもしれません笑。
とは言え、これで安心しきったりしてはいけません。
と言います。ここで浮かれるのは論外です。
もちろんまずはあっくんの容態が安定して無事に退院できることが目下の優先事項です。
しかし、ここは初心に返り、むしろ今後のあっくんの健常児との生活に向けたスタート地点に立ったと解釈すべきと思います。
長期的には、あっくんがこれからも自分らしく出来るだけ健康的に生きていけるよう保護者としてしっかりサポートしていく覚悟を再認識したわけです。
病院のスタッフの方々がここまで一生懸命治療して下さり、何よりあっくんが一番頑張ってくれたんです。ここで無駄にはさせません。
「これからも安心して頼ってくれていいからね。親として人間としてまだまだ未熟だけど、一生懸命おとーちゃんをやっていくから、信じて付いてかて欲しい。一緒にがんばろうね、あっくん。」
そう心に誓い、PICUを後にしました。
なんか、この短期間で色々ありすぎからか、あっくんの手術の成功という大きな山場を乗り越えたことで安堵したのか、流石に疲れてぼーっとし始めました。
精神的な緊張とストレスに加え、緊急休職前の引継+年度末〆業務前倒し+持ち帰り深夜残業+休日勤務→ワンオペ育児→ワンオペ付添い入院と、オーバーワークがほぼ途切れなく連続し(合間も私抜きでは家が回らない汗)、休息と言う休息を取った時間がない日が数ヶ月続いて、肉体的には少々タガが外れた感じです。あと腰も痛い笑。
そんなドッと疲労が押し寄せたおとーちゃんの身体が欲し始めたものは…フワフワのベッドの上で…ではなく、
休息じゃねーのかよ!笑
いやいや、まずは喜びに浸った状態でのビールでしょう!寝るのはその後でも全然遅くない!
と言うわけで、打ち上げを兼ねて家族で乾杯です!
あっくん:あー!めっちゃ油断してるじゃないですか!なーにが「画竜点睛を欠く」ですか!偉そうに!
おとーちゃん:えーい!お主のお祝いなのだー!物事はバランスが大事ってことで、今日は勘弁してくれーい!^o^
プハー!しみるー!やっぱたまらんっすね、恵比寿マイスター笑。
お代わりビールは大ジョッキ!全身にビールが染み渡って行き、疲労が癒されて行くのがよく分かりました!(どんな理屈だ笑)
あっくん:なーに大人だけで楽しんでるんすかー!
おとーちゃん:元気になったらいっぱい遊ぼうなー!^o^
まぁそれにしても、実際呑気に酒なんて飲んですまないとも思っているよ、あっくん。
ただ、君がPICUにいる間、多分1週間ちょっとの間だけ、許して欲しい。
もちろん病院から電話で呼び出されたらすぐ飛んでいくよっ!
あっくんがしんどい期間なのは百も承知だけど、託児所に預けるのも難しい病児から、唯一短時間でも離れて、大人だけで行動できる期間なのもココなんだよね。
分かっているのだけど、何と言う皮肉…。
あっくんが頑張って私たちに分け与えてくれたこの時間、無駄にしてなるものか!まずとにかく、飲む!食う!そして寝るぞ!笑
あっくん、さすがに今回のはおとーちゃんも疲れちゃったときがあったよ。毎日一人で頭も身体もフル稼働で、正直めちゃめちゃきついと挫けそうになったこともあったよ。(サ◯ヤ人の原理で前より強くもなれたけどね笑)
あっくん:いくら強くなりたいからって、わざわざ自分より弱い相手に対して自らを攻撃するように要求するとは、ふてーヤツですな!
おとーちゃん:それはベ○ータさんの話ですよ!私は死にたくないし、そもそも臆病ですからそんなことできませんって ^^; 強くなるってのは、結果としての話ね。
だけど、あっくんが一先ずフォンタン手術を終えることができたことを思うと、疲れなんて吹っ飛んじゃったよ!
あっくんの容態が落ち着いたら、またいっぱい遊ぼうね!そしたらおとーちゃん、仕事復帰して大学院も復学して博士号取るぞー!(はっ…もしや死亡フラグ化してやいまいか…!?笑)
そうできるように、一週間だけ、おとーちゃんお休みをもらってもいいかな。
その代わり、あっくんがPICUから出て病棟に戻ったら、早く元気になれるようにまた頑張るぞ!
だから、早くおうちに戻ってきて、また楽しく過ごそうね、あっくん。
あっくん:ハイ、チーズ!
おとーちゃん:本当によく頑張ったね、あっくん!お塚様でした!^^
こんにちは。
あっくん、手術当日を迎えております。朝8時30分にオペ室に行ったきり、今はどこがどうなっていることやら汗。
家族待合室でソワソワしております、モリケン一家一同でございます。
そんなわけで(どんなわけだ)、もう色々ありすぎて説明しきれていなかったこれまでの経緯をおさらいしつつ、 今回の手術の内容について共有します。
実はあっくんの現在の症状は、極めて稀有な事例と言わざるを得ない状況です。
「小児」というだけでそもそもの症例の母体数も少なくかつ成人よりも手術が難しいのに、心臓病は更に母数が少なく、更に更に左心低形成症候群と言ったら数万人に一人。そして症例がその中でもレア中のレア。 公開されている論文等の第三者的・客観的な文献を素にした治療はもはやできない状態に至っております。 (姿形だけ見れば、元気そうなのにね…。)
ゆえに、循環器内科の経験と脳内シミュレーション+心臓血管外科の野生の勘と執刀技術力に頼り切った、 仮説に次ぐ仮説の重ね合わせで、なんとかここまで来ている状況です。
あまりにレアな症例なので、他の左心ちゃんのご家族のお役に立てるか分かり兼ねます。
ただ、そんな状況でも元気に生きているという現実があります。
ですから、左心ちゃんを授かることに打ちひしがれているご家族の皆さん。 どうかお子さんを信じて、気を保ってください。
こんな状況でのあっくんでも生きているんです。なんとかなるんです。
そんな左心ちゃんたちのお顔を直接拝見することはできませんが、一人でも多くの左心ちゃんそして心臓病児の命が、一日でも長く繋がれ、その生を全うできることを、心より願っています。
健常児が羨ましい、うちの子のほうが治療が進んでいる、あの子に抜かれた。羨望・嫉妬・後悔…気持ちは分かります。でも、そんなの無しにしたいと思うのは私だけでしょうか。みんな等しく授かった命です。それぞれの家族は表に出さないまでも、各々に辛い思いを抱きながら生活しているはずです。そんな負の感情に時間を割く暇があれば、病児や家族の幸福のために時間を使いたいと思うものです。
前回のシャント形成術において(分かりにくいと評判の)フローチャートを作成しましたが、今回の手術で下記のようなルートをたどることが確定しました。
あっくん:分かりにくいのにまた出すんですか?けしからんです!
おとーちゃん:まぁ、せっかく作ったので…。てか、あなたはオペ中なんだからじっとしていなさい!笑
前回肺動脈が閉塞した際に形成したシャントにより、左肺動脈が十分に成熟しました。そこで、今回目指すは、グレン再建+フォンタンの同時手術!ただし、グレン再建で使用する血管は人工血管とする。
再度肺動脈が閉塞してしまった場合に両肺フォンタン不成立になってしまうリスクがある。その際はリスクヘッジとして受動的に片肺フォンタンとなるようなフェールセーフ的措置を施す。
フォンタン循環、あるいは片肺フォンタン循環が不成立だった場合、穴あきフォンタン循環にテイクダウンする。
だいたい、こんな感じっぽいです。
さて、前置きが長くなりました(いつものことか笑)。おさらいしていきましょう。
まだ齢2歳半のあっくん。ここまで3回の心臓手術+2回の心臓カテーテル術を経て、4回目の心臓手術を迎えることになりました。
中々説明しても理解してもらいにくいくらい複雑な事象が起きていて、本当にもう、色々な異変が起き続けていて、心労半端ないっすよ。。。
出生直後、左心ちゃんは次のステップである最難関の大山であるノーウッド手術までの間、その特殊な循環系(動脈管開存症+心房中隔欠損症 を人為的に保持)を維持する上で、肺血流量の増大による疾患が懸念されます。
そこで、両肺動脈絞扼術(通称バンディング)により血管を人為的に補足することで、その血流量をコントロールします。
あっくん:これは余裕でしたな!
おとーちゃん:そうですな!って、あなたはオペ中なんだから(以下略
よくある症例としては、バンディングを延命し、まず最難関のノーウッド手術に臨み、その後ある程度の体力増強と循環系発達が見込めた段階で、グレン手術を行う運びになることが多いようです。
ざっくり言うと、それぞれの手術は下記のような効果をもたらします。
ノーウッド手術
グレン手術
当初あっくんもこれら2つの手術を順序的に実施する予定でしたが、肺動脈の成熟が良好だったので、ノーウッド+グレン手術1回で終わる方針に切り替えることができました。これ自体、本当に不幸中の幸いだったと言えます。
こうして、あとはこのまま順調に行けばフォンタン手術をあと1回おこなうだけで、晴れてフォン単循環・単心室系の完成となり、日常生活における酸素とはおさらばできると、楽観的に捉えていました。
主治医も私達家族も、そんな楽観的な感情を抱いて「まぁ今回も順調でしょう」と言われて、ノーウッド+グレン手術退院1年後の心臓カテーテル検査で全くの想定外の事態が生じます。青天の霹靂とはこのことです。
なんと、あっくんの肺動脈が完全に閉塞してしまっていたのです。それに伴い、左肺動脈の血流が遮断され、今にもなくなってしまいそうなほど細切れの状態になっていました。
泣けど喚けど、どうしようもありません。主治医からも歯切れのよい回答が得られません。
こうなってしまっては、もはや閉塞部は諦めるしか無いようです。
そこで、まずは閉塞部の出口である死にかけている左肺動脈を復活させ、閉塞部の入り口である肺動脈の中心部を再建する方針を取る戦略を取ることになりました。
具体的には、まず大動脈から左肺動脈に対してシャントを形成する緊急手術を施すこととなりました。
シャント形成術後しばらく様態は安定していました。
ところがなんと。。。術後2週間後にこれまた重大な事件が発生します。
再度カテーテル検査をしたところ、今度は形成したシャントが閉塞してしまったのです。。。
そんなことがあるのか!?誰に聞いても、あっくんほど立派に成熟した肺動脈でこんなことが起こるなんて、今まで見たことも聞いたこともないという状況なのです。
外科・内科の両主治医もこの時の事件は相当トラウマになっているようです。。
もう、踏んだり蹴ったりです。
そこで、詰まってしまったシャントを再形成するために、今度はバルーンによって血管を拡張する心臓カテーテル術を実施しました。
ところが、結果は失敗です。もともと大動脈と肺動脈をつなぐようなシャントは物理的には不自然な構成で、それに対応したようなカテーテル自体が心臓病治療用としては存在しないのです。その中でも最も適していると思われた冠動脈治療用の「マイクロカテーテル」では駄目だったのです。
あっくん:ガガガガーン!
おとーちゃん:笑い事じゃなかったんすから、本当もう… (T_T)
もはやバッテンだらけでワケワカメですね笑。
日本でもトップレベルに超経験豊富な主治医からも、厳しい状況を伝えられます。
「もう考えられる限りの全ての治療を施しましたが、この病院でこれ以上の措置を行うことはできません。」
これはすなわち、両肺フォンタン循環を断念せざるを得ないとう状況です。言い換えれば、一生日常生活で酸素が必要だよ、ということなんです。
これは衝撃です。今まで順調だと言われていただけに、その落差の大きさに家族感情が追いつきませんでした。。。
「あっくん…こんなに…頑張ったのに…どうして…?」
その問いには誰も答えることができません。理由なんて、無いんですから。
そんな絶望の淵に立たされていたとき、循環器科の主治医から吉報が入ります。
「まだ可能性があるかもしれません。」
なんと、主治医がたまたま参加した学会において、高齢者の症例ではあるにせよ、同様の症状に対してシャント再形成術を成功させた事例の発表があったようなのです!
何というタイミング!何という奇跡!!
なんと、使用するカテーテルは心臓病用ではなく、脳手術用の「マイクロマイクロカテーテル」なるアイテムとのこと。その発想はなかった。
主治医は早速そのカテーテルを業者に手配し、早急に再カテーテル術を実施してくださいました。
結果は…なんと成功!!!更に、再度シャントが閉塞することを回避するために、シャント内にステントを留置する処置まで成功!すごい!すごすぎる!!!
あっくん:テイクツー!アークション!
おとーちゃん:カーット!完璧です!おつかれーっしたーーー!!!(ToT)
実際には、「マイクロマイクロカテーテル」がクリティカルに効いたと言うよりは、大腿静脈からのアプローチができなくなっていたので、大腿動脈からアプローチしたらうまく言ったという、物理的な構成上の問題が解消されたことが大きい、みたいなことを聞いたような気がしましたが、あまり突っ込んで聞かなかったし、もう一年くらい前のことで忘れた笑。てかそこはもはやどうでもいい!笑
とにかく、もう一回チャンスを与えてくださったことが効いたんです!
ありがとう、主治医の先生!ありがとう、そんな症例を発表してくれた先生!そして、似たような症状から回復してくれたどこかのおじいちゃん!
これで、まだ両肺フォンタンを諦めなくても良さそうだという算段がたったわけです。
ただ、まだ強敵の、肺動脈の閉塞という状態は変わっておりません。
そんな紆余曲折を経て、カテーテル検査の結果、なんと細切れになっていた左肺動脈が見事に復活!これをうけ、ようやく閉塞した肺動脈の再建を試みることができる状態になりました。あー!もうここまで長かったー。。。
あっくん:お、なんか左右の肺動脈がいい感じに太くなっているようですな!?
おとーちゃん:左のが少し細いけど、それでも上出来だよ!あの絶望の縁から、よくココまで復活してくれたよ、本当に。。。
それを受けて今回の手術です。
当初の計画では、閉塞した肺動脈を人工血管で再建することが目的でした。つまり、グレン循環の再形成のみを行うということです。
具体的には、以下の2つの処置のみを施すということです。
したがって、グレン循環での経過観察を経て、フォンタン手術は将来5歳位で行う予定でした。
あっくん:ふむふむ
おとーちゃん:ふむふむ
ここに来てまた急遽方向転換です。
なんと今度は、肺動脈の再建と、下大静脈の肺動脈への直結を同時の行う運びになりました。
つまり、グレン+フォンタン同時術ということです。
あっくん:ノーウッド+グレンのときも同時術でしたな!
おとーちゃん:同時術とご縁があるようですな、あっくん ^^;
ノーウッド+グレン同時術に続き、テイクダウンを経て、グレン+フォンタン同時術とは、あっくんには同時術との強いご縁がおありのようで ^^;
同時手術は嬉しいのですが、それが本当に治療上適切な判断なのかが気になります。
聞くと、カンファレンスで以下経緯があったようです。
循環器科からの提起に対し、外科がこれを否定できなかったようです。そりゃそうです。論理的に否定できるなら、原因はとっくに解明できているはずで、こんな状況になっていないわけですから。
あっくんの左肺動脈に起こったあの謎の閉塞事件は、福岡市立こども病院を持ってしてもまさに悪魔の出来事で、相当トラウマなのでしょう。
ほう、なるほど。
さぁ、如何でしょう。論理的には分かりますがね。
そして、通常のフォンタン術と同様に、うっ血のリスクが判明した場合には、テイクダウンで穴あきフォンタンにせざるを得ないリスクは背負うことになる。あっくんの場合は、それが片肺になる可能性もあるという状況です。
その場合、チアノーゼが解消されないので、生涯に渡って酸素を要することになってしまいます。
あっくん:なにやら複雑ですな!
おとーちゃん:それだけあなたはすごい手術をしているということですよ、あっくん ^^;
とは言え、いささか思考実験の域を出ておらず、机上の空論的な論旨展開ですよね。これを裏付けるための論文なんて無いんです。それどころか、なんら断片的なデータもなければ実績も皆無なんです。
それに、今までの説明ではこんな仮説、話の節にも出たことすら無かったんです。どちらかというと、
「グレンに戻すだけでもリスクがあるのに、フォンタンの同時にやるというのはリスクを増大させるから、同時術は否定的です」
と言われていたくらいなんですから。
それなのに、入院中の術前のカンファレンスで、突然手のひらを返したように同時術の話が出てきたわけです。家族感情的には同時術と聞いて嬉しい気持ちがありますよ。ただ、客観的な視点、特にアカデミックな立場からこの状況を観察すれば「なんじゃそりゃ?出直してこい!」となりますよね笑。
かの思考実験の天才・アインシュタインですら、実証には理論数学者の手を借り、様々に実験を行ったわけですが、あっくんの命がかかっている手術については実験的に色々試すなんて言語道断。リスクとリターンのバランスをリアルタイムに考えながら、最適な戦略・戦術を取っていくしかありません。
もちろん、術前説明の段階で、主治医には色々質問させて頂きましたが、結論は「やってみないと分からない」この一点に尽きます。医師の立場にたてば、グレン循環における肺動脈閉塞事件のトラウマがあるだろうし、そもそも実績も無いのも事実なので、下手なことは言えないのも分かります。分かっているんです。
家族感情的には複雑です。インフォームド・コンセントの段階で起こりうることを聞いて、様々なリスクに対してそういうことが起こりうるのかと納得するしかありません。
頭では分かっていても、もうこの仮説を信じて行くしか無いんです。
最後は、主治医の誠実さです。その判断基準は、普段の外来や、入院中の経過報告、そして術前説明など、会話の節々から読み取っていきます。
例えばこちらから、
など、素人丸出しの、ぶっちゃけ答えられないだろうなぁという質問や、ネガティブな回答をセざるを得ない質問に対して、
等、患者にとって不都合な事実でも真摯に回答してくれるかどうかが、私は大事にしており、実際ちゃんと回答してもらっていると感じています。
ここでもし、医師と患者の間に生じる情報の非対称性や、知的レベルの格差を悪用し、故意にお茶を濁したような説明をしてサインをさせるようなら、私は納得しません。(過失なら大目に見る傾向はありますが、故意は許しません。)
その点、ここの医師は大抵(←全員とは言わない笑)しっかりと、かつテンポ良く(←ココ大事)回答をしてくれます。だから、私は安心して治療を任せることができるんです。この病院には本当に優秀な医師が密集していると思います。
そして、医師たちの経験とセンスを信じ、同意書にサインをさせていただきました。
というわけで、朝8時30分にオペ室に行ったきりにあっくんは、まだ戻ってきておりません。手術はまだまだ掛かりそうです。
無事手術を終え、元気な笑顔を見せてほしい。またベタベタ遊ぼうね。そして、酸素が離脱できて、ある程度自由に行動できる人生を歩んでくれることを祈っているよ、あっくん。
あっくん:みんな、また遊ぼーぜ!待ってろよ!
おとーちゃん:頼むぞー!本当、お主の力には期待しているからな!絶対に帰ってくるんだぞ、あっくん!
あっくん!4度目の手術入院の始まり始まり~。
とは言っても、本エントリ執筆の4日前からではあり、ちょっと遅くなりましたが ^^;
手術についての詳細はまた別エントリで。
兎にも角にも、つまづいたり困ったりしても、いちいち反応したり挫けたりパニクったりせず、一つ一つ落ち着いて対応していくことが大切だなぁと、感じる今日この頃。
あと、誤りを指摘してくれる人がいることが、凄く有り難いという事。自分の成長を促してくれますから。批評や指摘は素直に聞き入れ反省し、改善に努める事が肝要と思います。
それができずに、自分は悪くない、悪いのは周囲の他人だ環境だの一点張りで、周りの貴重な声や意見から目を逸らし耳を塞ぎ、自己正当化と責任転嫁ばかりの自己中心的な振る舞いばかりしていたら、周りの人達からの信用や愛情が失われてしまうでしょう。
叱責こそチャンスがあると捉えて、落ち着いてコミュニケーションを取り、心を通わせた対話を通じて、相手の困っていることを察して、それにきちんと対応することで、誠実さが増し、人から信頼され、何より人間力が磨かれるはずなのだと思います。
そう信じて、前進したいものです。
と言った内容を読んで、「あっ、自分は大丈夫だ」と思うのが一番危険。だって、それこそが自己正当化だから笑。人の為すこと、ひいてはこの世の万事について、絶対確実なんて、決してあり得ません。常に何らかのリスクを抱えて生きているわけです。 自分にも思う節があるな、責任があるな、と思えるような人だと、一緒に仕事をしていてとても信頼できるものです。
そして、誰からも批判・批評をされなくなった時。それは、誰からも信頼されなくなり、見捨てられたことの証です。だって、周りが呆れ、あるいは恐怖によって口を噤んであるだけで、正しいことを言えなくなっているだけなのだから。
批評がある間は、まだ周りが改善を試みてくれている、自分のことに気をかけてくれている段階なので、まだ間に合います。
未熟なおとーちゃんはまだまだ鍛錬が必要です。
てなわけで、本題へ行きましょう!
今回の付き添いはおとーちゃんオンリーです。
更に、食料や日用品等の調達要員もなしの、ほんまもんのワンオペです笑。しかも、入院付き添いの全期間に渡ってワンオペです汗。自由利かないー。
自宅であっくんと二人でワンオペしていたときのほうがよっぽど自由が利いたなーと実感しています。
こういう経験を積み重ねることで、戦闘力(←!)が増えていくんだと思います。サ○ヤ人は死んだあとの方が強くなるみたいですし(オイ)。
そんな話は冗談として、ほんまもんワンオペになっちゃう人もいると思うので、ノウハウを残しておこうと思います。
なぜ今自由が利かないのか?ちょろっと書こうと思います。
原則として、必ず保護者が付き添う必要があります。
まぁ自宅にいてもこれは変わりませんが。
原則として、患者は病棟から出てはいけません。これが厄介。患者を連れて売店とか行ければいいのですが、それができません。
かと言って、2歳半のあっくんなんて、よっぽどでなければ置いてけぼりなんてできません。ここで諦めたら詰むわけです。あっくんのバナナがあああぁぁぁ!チャーハンがああああぁぁあ笑!
なので、もちろん病棟の看護師さんに「ちょっと見てもらえないでしょうか」的なお願い戦法も使えます。
ただ、あくまで短時間です。特に休日はマンパワが不足気味なので、早く戻ってきてオーラが強いです笑。
売店で買えるものならそれでもいいのですが、あっくんが確実に食べてくれるバナナやチャーハン、コロッケなどは売店では買えないので、外に出て買いに行かねばならないのです。
あっくんは毎日午後1時過ぎから1時間ちょっと昼寝します。昼寝中はまず起きません。
というわけで、この空きにスタコラサッサと外出して、おとーちゃんの食料や、病院食が苦手なあっくんのための補助食品を買いに出ます(病院の売店でバナナ売ってくれたらうれしいな。生鮮食品はさすがに無理かな汗)。
看護師さんからと助かったオーラ出てました笑。
あっくんは夜ぐっすり眠るので、この後が勝負!唯一まとまった時間が取れるのがこのスロット。
2時間毎に看護師さんの見回りもあるし、日中も具合悪く悪くないし、まぁ大丈夫だと。
ありがたいことに、病院の近くに24時間スーパーがあるので、ここも使えます!(バナナを求めてスタコラサッサと) あと、会社から電話かかってきたりしたとき、「今手が空かないんで後で対応しますー」とペンディングしていた仕事とかも、この時間で片付ける。ふぅ。
そして、このブログもね笑。
これはきつい。どーしようもない汗。直前におとーちゃんスパルタトレーニングで咀嚼と嚥下のスキルを底上げしたと言っても、食材と味のバリエーションには限界がありました。
というか、大人の入院でも厄介な致命的イシューがある。
「病院食は美味しくない」
色々試した。しかし、努力も虚しくまぁ食べない食べない汗。刻んでもらったところで焼け石に水。形状の問題じゃない。こりゃ味の問題です。持ち込んだあっくんの親しんだドレッシングをかけても駄目。レトルトで買ったカレーは口に合わないのか、カレーどさくさ作戦も駄目。
おかずが進まないからご飯が進まない。ふりかけをかけても無駄。いやー、積んだ笑。
とりあえず抜け出して購入してきたテッパン食材「パン・コロッケ・バナナ・ラーメン・チャーハン」等で餓死はさせないようにはしています笑。
そして、色々やって入院4日目にして、ようやく見つけたあっくんにとって一番食べてくれるパターンがこれ。
これで食えるだけ食わせる笑!あっくんはラーメンが大好きなので、うどんを「ラーメンだよ、ラーメンだよ」と言って洗脳(!!)して、見事に成功!
あっくんも「アーメン!アーメン!」と言って食べてくれました。うどんの汁の中に刻みおかずを混ぜ込んで食べさせるどさくさ作戦もなんとか成功。とりあえず、うどんを食べ続けてくれることを願うしか無い。。
あっくん:うどんカットされてないじゃないですか!?
おとーちゃん:いや、頼んだんですけどね ^^; この次からはOKね!
あー、術後に食事の脂肪制限入ったら何食べてくれるんだろう。無脂肪うどんとかないのかなー。
ま、体重が減るのは確実だし、食べ方忘れちゃうかもしれないけど、そんときゃまたおとーちゃんが食育し直すから、安心して手術に望んでおくれよ、あっくん ^^
あとはどーにでもなります。
洗濯も病棟内のランドリーを使えばすぐに終わるし、掃除は委託先の従業員の方が行ってくれます。
シャワーは自室で行いますが、夕方の処置時にシーネカバーを看護師さんに付けてもらえば、普通に入れられます。
お昼ご飯前にプレイルームで保育の時間があるので、そこで少し気分を晴らしてもらいます。パンダうさぎコアラを覚えてて良かった笑。ありがとう、おかあさんといっしょ。
室内では自宅から持ち込んだ乗り物・トーマスののおもちゃやDVDを使ってなんとかもたせる!
あっくん:「パフマ!」「チッター!」「パプワ!」「バーバーブ!」「パープー!」
おとーちゃん:「くるま」「電車」「消防車」「トーマス」「パーシー」ね ^^; どう聞き取るとそう変換されるのだろうね笑。
とは言え、いかんせん2歳半なので持ちにも限界がある汗。
しょっちゅう散歩して、絵本読んで、また散歩して、抱っこして、プレイルーム連れてって、散歩して、抱っこして。
あっくん:わたくしがプレイルームに来た瞬間に後光差し始めましたね!
おとーちゃん:いや、ただここに来た時間的に、たまたま太陽の位置がこんな感じだっただけの話なだけで ^^;
そんなこんなで、どうしたって病院じゃ遊びの幅に制限がありすぎる。
さすがにあっくんも既にフラストレーションたまりつつあるので、たまに笑顔が止まることがあります。自宅にいるときはこんなに笑顔が出ない時間が続くことはないぞ!?というとき、ビビッと来る。
こりゃまずいと思ったときは、少しアクロバティックに遊んだり、プレイルームのおもちゃで気分晴らしたりしています。術前は5日だけだからこれでもっていますけど、術後が長くなるので心配。
なんとかあっくんの笑顔を止めないように努めていかないとね。
入院生活という制約も中々エキサイティングです(オイ)。
中学の歴史で習った古代四大文明(エジプト文明、インダス文明、メソポタミア文明、黄河文明)というのがありますが、これらが栄えた理由は乾燥化という制約がきっかけだったようです。
なぜか?
乾燥化は水不足をもたらす。すると、様々な民族が水を求めて、川の畔に集まってくる。大量の人間が効率的に水を利用できるようにする必要性が生じるため、なんとか知恵を絞りその方法論を確立し、システム化する。そこで成功したシステムを他の部落でも応用する。という正のスパイラルが回ったようです。だから、中学のときに文明に対して、それと紐づく川を暗記させられたわけですね(ナイル川、インダス川、チグリス・ユーフラテス川、黄河)。
何が言いたいかと言うと歴史上重要な出来事である「文明」が「乾燥化」という制約によってもたらされたことに対するアナロジーとして「完全ワンオペ付き添い」という制約が、おとーちゃんの「育児サバイバル力」を向上させるという正の効果をもたらすと解釈することができます。
こうしてまた、人間として未熟なおとーちゃんが成長できる環境が神により与えられたのだろうと信じ、この試練を乗り越えていこうと思います。
また香椎宮行かないとね。
↓ノーウッド・グレンのときに行った、由緒正しき神社です。私は、信じていますよ。
あっくん:なんか髪短くないっすか?てかまだ男同士でベタベタしないといけないんですか?勘弁してくださいよ!
おとーちゃん:髪のことを気にする時間・コスト・煩わしさすら惜しいので、バリカンでカットしたのですよ笑 ^^; もうしばらく男同士仲良くやっていきましょうね、あっくんや ^^